ポケモンパン

@tablegood0212

第1話

 クラスメイトが自信気に、「Oくんもこれからいい出会いがあるって」と話しかける。

 

 Oくんも何か話そうとしたけど、上手く言葉が出てこない。皆んなに慰めて貰っている様で、Uさんを好きな気持ちがまだ残っているのでミジメだった。

 

 クラスメイトが「これからの人生本当の出会いがあるよ」って、あまりに綺麗な話をするので、後の言葉が耳に残った。


 「WくんとUさんが惹かれあって本当に好きなら恋愛の身勝手って許されるよ」


 「恋愛で嘘はつきたくないから」


 Mさん世界はWくんとUさんの言動は信じられない、絶交だってある。もっと感情的なOくんを理解してくれるはずだ。WくんとUさんにも、OくんはUさんを本当に好きだった事、瞬間的に惹かれたわけじゃないと伝えたい。WくんとUさんをこれからも応援してくれる友達だよ。


 高校の入学式があってGWを過ごす頃迄にWくんはUさんに告白した。


 OくんはWくんにUさんを好きだと伝えていたけど、WくんとUさんはお互いに惹かれあっていた。人の愛し方が似ていた。三人は仲良し、駅の近くのカラオケに行ったり、Wくんの家でTVゲームをした。


 OくんとUさんは入学式で直ぐに仲良しになった。高校受験、中学のクラブ活動の事、気がつくと時間を忘れて話した。UさんはOくんをいい奴だなって思った。


 OくんとWくんは高校のクラブ活動で知り合った。クラスは違っていたけどバスケのBjリーグの話で盛り上がった。好きな選手もチームの好みも同じだった。


 OくんとWくんとUさんが友達になるのに時間はかからなかった。


 Oくんは「今何かしたいことってあるの?」ってUさんに聞いた。


 Uさんは「恋愛したい、人を好きになりたい」と答えた。


 Oくんは「Uさんを好きなんだ」とWくんに伝えた。


 Wくんは「応援するよ」ってOくんに話した、


そして「Oくんが好きなんだよ」ってUさんにも言った。


 Uさんは「Oくんっていい奴だよね」ってWくんに伝えた。



 


 OさんとWくんは放課後、バスケをしてからUさんと三人で駅前のカラオケ店で遊んだ。Uさんはポテチとドリンクを食べながら、西野カナのダーリンを歌った。OくんとWくんも流行りの曲を歌ったけど、Uさんが歌を聞いて欲しいと思っていたので聴くことに集中した。OくんはUさんと一緒で幸せだった、家族の話や将来の夢を聞いているだけで楽しかった。OくんのUさんへの想いは綺麗だったし、Wくんとも気があった。でもWくんとUさんはハートが傷つくような恋をしたいって思っていた。Uさんは無意識に傷みを共感できるWくんに惹かれていった。



 


 Wくんの家は学校から近かったので家によくあがった。マリオカートや黒髭危機一髪で遊んだ。Wくんがいつもカートで一番。Uさんはバトル好き。Oくんは黒髭かっこいいって思った。


 ある日、三人で好きなことができるって言われたら何するって話になった。


 Wくんが「仮じゃなく現実になるから」って言った。


 Uさんが「ポケモンパンを販売したい」、


「ポケモンパンのキャラクターが貰える、美味しいパンを文化祭で扱いたい」と伝えた。


 Oくんは「ポケモンパン実現できるよ、自分達で作れるよ」って話した。


 Uさんは「えー本当?絶対実現したい」って答えた。


 遊ぶ途中、Uさんは「私のこと好きなの」ってOくんに尋ねた。


 Oくんは「好きだよ」って答えた。


 優しかった。UさんはWくんの方を見た。Wくんはマリオカートをしていた。でもUさんとOくんの会話を聞いていた。


 Oくんは「僕と付き合わないか」ってUさんに言った。


 UさんはWくんをまた見た。UさんはWくんに惹かれていることを正直に話した。三人は気まずかったけどWくんは何も言わなかった。


 OくんはUさんを好きで、UさんはWくんに惹かれている。WくんはOくんがUさんを好きなのを知っていたので、Oくんを応援したかった。




 

 次の日、バスケの休憩時間。


 Wくんは「Uさんのこと好きなの」ってOくんに尋ねた。


 Oくんは「Uさんをこんなに好きになるって想ってなかった」と言う。


 Wくんは「分かったよ、応援する」ってOくんに伝えた。


 Wくんは家に帰宅すると、Uさんから電話があった。


 「昨日のこともう分かるよね。私好きなんだよ」って話した。


 Wくんは「GWにバスケの試合があるから見にきて、返事はその時にするから」って伝えた。


 三人はその後もいつも通り。OくんはUさんが好きで、UさんはWくんが好きで、WくんはOくんを応援している。


 Wくんは「Uさんに気持ちを伝えようと思っている、昨日電話があった」とOくんに話した。


 OくんはWくんの気持ちを確かめなかった、答えはもうわかっている感じがした。




 

 試合の後、三人になった。


 Wくんは「Oくんを傷つけることになるよ」ってUさんに言った。


 Uさんは「私の方を見てよ」、


「恋愛って誰かが傷つくものよ分かるでしょ」、


「私達は優しすぎる」って話した。


 OくんはUさんの言葉を一瞬も聞き逃さない様にしていた、今日を忘れたくなかったからだ。


 Wくんは「Uさんと一緒に裏切るけどどうする」ってOくんに声をかけた。


 Oくんは「二人を許さない」って言った。


 UさんはWくんの手を握っていた。


 Oくんの前で、Wくんは「好きだよ」ってUさんに言った。


 Oくんは聞きたくなかったけど、Uさんをじっと見て、Wくんの言葉を聞いていた。


 

 

 三人は一緒に居れなくなった。Oくんを裏切ってしまったからだ。でも後ろめたさはなかった。ありのままの正直な16才だった。OくんとWくんはバスケを続けたし、WくんとUさんはお互いに惹かれるものの中にいた。音楽や映画からインスピレーションを受けたファッション、若者が表現するスタイルを真似たりした。Oくんと三人で話すこともあるけど以前の様な無邪気さは無い。大人になった気がした。Wくんの頭の中には三人でやりたいねって話したポケモンパンがあった。文化祭まで五ヶ月あるなって思った。




 

 Wくんは週末になると、家族で教会に行く習慣があった。


 Wくんは「Oくんを裏切ってしまった」と神父様に相談した。


 神父様は「神は人の心の中にいつも居て貴方の事を許していらっしゃいます」、


「生きていれば誰でも悪い事をします、でも余り自分を責めないであげて下さい」、


「Wさんはまだ16才、大人になれば毎日傷つけたり傷つけられたりします」、


「大切なことは希望がある事ですよ、隣人を大事にして下さい」と仰った。




 

 WくんはOくんを裏切った事ばかり考えていたけど、神の許しを頂いて救われた気がした。Wくんは今の正直な気持ちをOくんに伝えようと思った。


 Wくんは「Uさんが好きである」、


「裏切ることになって申し訳ない」、


「もう同じ過ちは繰り返さない」とOくんに説明した。


 Oくんは「あの日を忘れられない」と話した。


 WくんはUさんの友達とバーベキューをしようとしている。Oさんも来ないかと誘った。Oくんはポケモンパンを販売したいと言うことに触れた。Wくんも三人で話したねとと言い、ポケモンパンのアイデアを共有する事が新しいインスピレーションを生む気がした。Wくんも新しいOくんとUさんの関係が描けるかもしれないと思った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ポケモンパン @tablegood0212

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ