夢美瑠瑠



 最も有名なお経であろう、「般若心経」のなかで、最も人口に膾炙しているくだりは、おそらく「色即是空、空即是色」…とりわけ「色即是空」だと思う。


 有名なこのお経は、「西遊記」で知られる玄奘三蔵法師という僧侶が作ったもので、この人は実際にインド、天竺へ”取経”の旅に出て、12年かけて膨大な「大般若経」というお経を全巻?持ち帰り、さらに3年かけてそのエッセンスを162文字の短いお経に凝縮した。


 それが「般若心経」として、現代まで連綿として残って、愛誦されいる。

 

 だから、仏教という世界三大宗教のひとつの、もっとも中心的な思想のエッセンスが、要するにこの四文字、「色即是空」としてあらわされるものなのだろうか?


 比較的に仏教については詳しい気もする。開祖はゴータマシッダルタ、釈迦牟尼で、ブッダは、悟った人、という意味。

 Buddhism と書きます。四苦八苦、~「生・老・病・死」「愛別離苦」、「怨憎会苦」、「求不得苦]、「五蘊盛苦」~で表される人間の「苦」について敏感な人だったシャカが、苦しみから解放されるための考え方について思索を続けて、「悟り」を開いた。


 その悟りの本質がだから普通は「空」とか、「無」だとされている。


 「諸行無常」、「会者定離」、「因果応報」、「有為転変」、「自業自得」、そういう仏教のいろいろな教えも、つまりは、所詮全ては移ろいゆくもので、”本質は空無”、ということに帰着する。そうした現実世界のむなしさ、はかなさ?そういうものに自覚的になることで浮世の苦しみが毒消しされる…そうしてそういう「悟り」、仏の智慧を普通は「般若」と呼んでいる。…そういうのがボクの仏教理解です。


 現実の世界が「色」で、それが「空」つまり空虚であるという、そのコトワリが、「色即是空」だから、まあ要するに筋が通ってはいる話です。


 で、この金科玉条を、「イロゴトなどは空しい」と、誤解する人がいて…俗流の発想で、あながち間違いではないか知らんが?そういう受け取りしかできない場合は「縁なき衆生は度し難し」ということになって、釈迦に説法、人を見て法を説け、そんな言葉に似たなんだか葬式なんとかな下世話な話になって…?


 そういう末世?仏滅?がずっと続いていて…施餓鬼道に足掻く天邪鬼な亡者のひとりの私は56億7千万年後の弥勒降臨を待つのみですw

 


 

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夢美瑠瑠 @joeyasushi

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