なぜ貴様がそこにいる‼︎!

綾瀬 りょう

第1話 私は夢女

 好きな小説のキャラと恋愛したい……それが夢小説であることを知ったのは成人してからだった。

 思えば私は子どもの頃から夢小説を無意識に書いていた。いや、初めて書いた物語は夢小説だったのは記憶している。


 さて、そんな無自覚夢女であった私は高校生になった時に「小説の書き方」なるものを勉強し始める。すると徐々に書き散らかすものが、小説らしきものになり始めるではありませんか。元々書くのが好きでとても楽しく書いていった。


 歳をとるにつれて物語を書くのが呼吸のようになっていった私。パソコンを買う時も、文章作成できる事が目的でそれ以外の能力は求めたいない。

 いや、文章を書きたいがためにパソコンを買ったのだ。そして印刷ができるように「複合機」なるものも奮発して購入。


 創作意欲がとても沸きました。


 そんな私は社会人になってからも、夢小説を書き続けていました。


 心優しき友達から夢設定を聞いて「じゃぁ、書いてもいい??」と聞くと優しい友達は「書いていいよ!」という話になる。


 仕事の合間もその物語の事を考えて書くのは至極楽しかったです。


 久しぶりに会う話になった時にその書いた小説を持って行くことになった。

 ウキウキ、ルンルンで印刷した紙をクリアファイルに入れた私。

 休みの日に出かけるため、読み終わった本を中古ショップにありに出してからにしようと、車に読み終わった本の入ったカゴを乗せる。

 友人と会う前にショップにより、査定が終わったアナウンスが流れ呼ばれカウンターに行くと、気まずそうな男性店員。

 手にはクリアファイル夢の結晶を持っていた。


「あの、商業作品しか買い取れなくて」

…………貴様なぜそこに


 無言で見つめ合う方思いきや店員さんは目を逸らす。きっとアレは読まれてるな。

 どうする?感想を聞くか!?!と一瞬悩みましたが恥ずかしさが先に口を開き

「わかってます」と突っぱねて、その差し出されていたクリアファイルを受け取った。


 その後気まずそうにやり取りをしたのを覚えてる。友達に渡すはずだった物語夢小説がどうして紛れ込んだのか。

 店員さんには悪い、全ての元凶は私にある。それなのに店員さんに対して照れを隠したいからってあの物言いは無かったなと、今更ながら反省している。


 顔もうろ覚えで、まだあの店舗に勤めてるから分からない君に届けたいこの謝罪。


あの時はごめんね感想教えて」と。

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なぜ貴様がそこにいる‼︎! 綾瀬 りょう @masagow

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