死んでいる

ラッキー平山

死んでいる

ぼくは生きている。言葉は真夜中。聞こえてくる夕暮れの足音。ついに世界の破滅が訪れたか。


夜がまるでフラミンゴのまま、ゆっくりと午後四時への階段を空っぽのコップ。生えてくるフルーツパフェ。食えるのは生きたままがいい。


だからぼくは生きている。聴覚は嗅覚。耳が近所のドブ臭くて仕方ない。


パンケーキの甘い匂いが鼓膜をハイジャックした大脳新皮質までの墜落は、やかましさが人質として救いようだけ解放する「身代(みのしろ)罵詈雑言」を要求、口が裂けてしまった。


歩いているのは伸びている。そんなクズ鉄の過去を絶叫したところで、なんにもドライアイスも出てこない蛸壺に手を突っ込み、無理やり引きずり出した白いあの世のような八本足の薔薇。


だってアナタは、死んでいるんだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

死んでいる ラッキー平山 @yaminokaz

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ