マジシャンを目指す少女の成長物語

時代は1876年、舞台はフランス北部。
こうした時代背景を持った作品が少ない事もさることながら、そこでサーカスを題材とした作品も非常に珍しいと思います。

そして、そこで生きる人々、サーカスの熱気、そして各人の服装や舞台裏の小物など、詳しい描写は見事!
至る所にある緻密な描写は、読者を物語へと引き込む材料になり、そして空想の中に広がる世界に現実味を持たせてくれます。

時代からして、女性は多くの我慢を強いられていたもの。
そこでマジシャンを目指す少女は、世間の風当たりや嘲りがあると知ってなお、夢を諦める事無く突き進もうと決心します。

心温まるヒューマンドラマでもある本作は、どこか童話風に感じられる時もあり、時に映画風に魅せられる事もあります。
本作の行き先がどうなるのか、一読者として楽しみな作品です。
気になった方は、是非ともお時間ある時に読んでみて下さい!

その他のおすすめレビュー

海雀さんの他のおすすめレビュー649