第五話 図書館

俺は調べ物をするために学園内にある大きな図書館に入った。


それにしてもすごいな。螺旋状の本棚があるし、取りたい本を機械が直接とってきてくれるなんて、前の世界じゃ驚きもんだぜ。


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コツコツと、俺は螺旋状の階段を登っていく。図書館は多くの生徒が集まっていて、勉強や調べ物をしている。


図書館の本はあ行からわ行の順で並べられている。図鑑や本の大きさで分かれている。

俺は教科書ぐらいの本がしまってある本棚を探して、ゆっくり歩いていた。


「おっ、これだな。『ギフト大辞典』。浮力に関するギフトを調べるには最適だって先生に言われたんだよな。」


俺はギフト大辞典を机に置いて俺は開いた。


「あった、あった」


結構小さく書かれているけれど、


「どうやら、俺のギフトの上位互換は『空間支配』と『重力操作』か。まあ、物飛ばすのに空間を動かしているからな。でも、結構すごいものだな。色んなことできるじゃん。」


だが、二択か。


どちら選び難いなー。


でも、まずこのギフトの能力は、

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『空間操作』

ギフトの持ち主が把握できる空間を操作することができる。時空の中で時を止めることも時を動かしたり、戻したりすることや瞬間移動などができる。


だが、その場合、それ相応の代償が出てくる。

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『重力操作』

物の力場を動かすことができる。物の質量に関係なく、発動可能。発動時間が極めて少ない。

代償なし。

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重力操作は代償なしで応用が効くとは、すごい力だな。

だって、もし重力操作を手に入れた時に、物の力場を使って、超効能性のシールド張れるかもしれないし、発動時間が少ないから、時間で圧倒できるしなー。


でも、空間操作は時間や空間を操れることができるから。重力操作よりも強そーだしな。


まあ、もし時間を操れるものがいたら、重力操作ではきっと叶わないし。


癖ある力を使ってこそが最強になれる。


と、思うからな。


それに、俺の転生した直後の失態をなくすこともできるかもしれない!

だと、すると俺は上位ギフトとして空間操作を手に入れるか。


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〈空間操作の手に入れ方〉

空間操作の手に入れ方は、空間を司る神のもとで、厳しい修行を行い進化させる。

もしくは、空間に系列するポイズンのボスを100体以上倒すことで手に入る。

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うーん、前者は何するのか書かれているが、やたら方法欄には、意味深な血痕があって怖い。それに、背筋が凍るような寒気もするし、「オォー」って、声も聞こえる。


やめておこう。


危険なところにこそ飛び込んでみたいという好奇心はあるが、命が惜しい。

ボスポイズンを倒すことも命の危険を伴うが、成功者が紙の右端に「正」の文字で、数えられている。見たところ三人だ。


そして、さっきの色んな意味でこわい前者の方法は0人。


ブルブル


勝手に体が震えた。ちょっと、南極ぐらいの寒さがきたのかな。


よし、やめといておこう。


だとしたら、空間に系列するボスポイズンを倒すとするか。


空間に系列するポイズンは結構有名だから、調べ物は終わりかな。


空間に系列するポイズンがいる世界。


「迷いのグニャグニャ森」

その名の通り、入ると空間や時間など方向感覚や体内時計が狂ってしまう森。

入ってしまうと、ボスポイズンを倒さぬ限り、出てくることは叶わない世界。


目的を成功させるためには、機動力と必殺技とも言える力を持たないといけない。ボスポイズンや普通のポイズンは時間や空間を操るため、一撃で仕留めることが一番効率がいい。回避するためにも、機動力は大事だ。


だが、俺はこの体に入って以来、まだ、1日も立っていない。


まずは訓練するために森に行くか。


何故、訓練場に行かないのか、学園ならばあるだろう。

だが、森には、俺の失態や俺のプラスチックの心を傷つけるものはいないのだ。屋上でバッタリ誰かと会うことも少なければ、俺の男しての尊厳を奪われそうになる不安もない。


そう俺のオアシスだからだ。


って言っても、攻略するところも関連するところも森って、俺、森好きすぎるだろ。

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