第二話 状況、整理

突然泣いた俺に周りは驚いたが、徐々に顔が無表情になっていき、明らかに変人を見る目で見られてしまった。


俺の心は女の子のガラスのハートまではいかなくとも、鋼の心ではできていなかった、そうそれはプラスチックの心!

この時、当然の如く、俺は居た堪れなくなりその場を後にした。


「あっ、ツァイングくん!」


背中からリナリアの声が聞こえてくるが振り向きはしない。


俺の奇行を間近で見ていた彼女が眉根を寄せ、眉間に皺を作りながら、笑顔がピクピクと引き攣っていたのを俺は知っている。


パリッ


俺のプラスチックの心は見事に粉々になってしまったとか。


ーーーーーーーーーーーーー


俺はいつの間にか、屋上を駆け上がっていた。

(早く教室に戻らなければならないが、行きにくい!しかも、少し俺の今の状況を整理しなければならない)

俺は落ち着くために屋上の景色と共に風に当たった。


「涼しいな」


おれの心は一旦落ち着いた。プラスチックの心は壊れたまま、戻ってこないが、


(だが、まずは状況を整理しよう)


俺がいる世界、

『ミトラの結末』はヒロインのキャラ映像が綺麗&必殺技のアクションがかっこいいと有名になり、流行ったものだ。


この世界にはギフトと呼ばれる神からの贈り物がある。

それは、ポイズンと呼ばれる化け物と戦うために遥か昔からの与えられた力である。


そして、最重要な物語は、主人公であるミトラがこの現代ファンタジー世界において、ザックリ言うと、


のちに、世界の結末を決める話である。


後から、付け足すとミトラには


「友情」


と言うギフトがある。だが、ミトラが読んでいるだけであって、現時点のギフトは「◾️◾️」となっている。

のちに…明らかに、

だが、ギフトが何であるかがわからないので、陰からは「落ちこぼれ」などと呼ばれている。だが、この力が世界を揺るがすのである!


いや、それ結構大事だろって、

いやいや、主人公って言えば、最終的に無双の力を持つだろ。いわなくていいかなーって。


と言うより、俺はモブ中のモブ、名前はツァイングくんとか、結構適当だしな。


ん?


ツァイング?


ツァイング!!


まじ、ラスボスの名前じゃねーか!


って言っても!ツァイングでラスボスだけど、全然強かない!、まず、この世界の敵で人間な人たちは全員、


ポイズンの後に出て来たので、主人公の成長が上がって、敵なしなんだよ!苦戦しないとか、主人公のレベル上げる手伝いにすらなってないとか、ダメだろ!


と言うことで、俺は決めた。


この世界で、最強の敵になってやる。


俺は静かに空を見上げて、誓った。


ガチャ


俺の後ろで屋上の扉が開き、誰かが入って来た。

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