第2話

B(嘘つき)「カランコロン、カラーン。ああ、久しぶりに故郷の村に帰ってきたわ」

A(旅 人)「いや、喫茶店入ってない? さっきコンビニで、今回レトロな喫茶店に入ってない?」

B(嘘つき)「ああ、早く村のみんなに嘘つきまくって、貯金とか巻き上げたいわ」

A(旅 人)「そんで、最悪な独り言いってるし……。もう、進めるからね。えーっと……すいませーん、『あの村は、あなたの村ですか?』」

B(嘘つき)「……」

A(旅 人)「あー」

B(嘘つき)「……」

A(旅 人)「はいはい、また無視ですかー? どうせ、正直者でも嘘つきでも『不審者とは話さない』とか言って、無視するのが必勝法なんでしょー?」


B(嘘つき)「……かなんなあ」

A(旅 人)「え?」

B(嘘つき)「えろう元気なうるさいお嬢さんやんなあ?」

A(旅 人)「……へ?」

B(嘘つき)「ずいぶんと、遠く田舎から来はったんと違うん? 見たことないようなキレイなだっせえお洋服が、よう似合っとりますわあ」

A(旅 人)「ちょ、ちょっと……」

B(嘘つき)「ウチの村、行かはるの? でもウチの村なんて、あんさん田舎モンが行っても何も誰も楽しく相手にあらしまへんよしてくれないよ? せいぜい、ぶぶ漬けくらい恥をかく前にしかお出し出来さっさと帰りまへんよやがれ

A(旅 人)「いやいやいや! ちょっと待って待って! 中止中止!」




B「どないしはった……いや、どうしたの?」

A「良くない! 良くないよ、これは!」

B「『良くない』て、何が?」

A「な、何が……って! 分かるでしょう⁉ 『嘘つき』の例として、『その感じ』はマズいって! 『その感じ』の人たちを『嘘つき』呼ばわりするのは、物議をかもすって!」

B「言ってることが、ちょっとよく分からないわ……。だって、思っていることと違うことを言うのが『嘘つき』なのだから、この言い方は何も間違っていないでしょう? つまり村人側の必勝法としては、嘘とあおりのエキスパートである京都人の真似するのが……」

A「はい、終了! この話、終了でーす!」


B「もう、なんなの……? 分かったわよ。じゃあ、別のパターンをやればいいんでしょう?」

A「『嘘つきの村』が、日本のどの都道府県にあるのか想像できそうなパターンは、ダメだからね⁉」

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