幸運の風になって

石鎚榛名三里の山

第1話帰還

空にかなとこ雲が見える夏

大和と共に出撃しはや4か月が経った、日本は二発の原子爆弾を食らい瓦礫の中に終わった戦争、我が日本は戦争に負け我が国が築いた地位は敗戦とともに崩れすべてがマイナスに戻った。しかしながら戦争は終わってはいなかった、ソビエト社会主義共和国連邦が講和条約を無視し北海道へ侵攻を開始した 連合国の米英が侵攻の中止を打電し必死の説得も虚しく北海道は占領された、この事態に連合国は再度大日本帝国軍の発足を許可し残った少ない物資と残った少ない武器で連合国軍が到着するまでの時間稼ぎを余儀なくされた、そして港に停泊中の残存艦艇が北へ出航するための準備をしていた。そのころソ連の最高指揮官ミハイルコヅネツォフ元帥は北海道から本州へ揚陸する計画を立ている最中であった。しかしこの計画は英米が放ったスパイによりすべて筒抜けであり大日本帝国海軍最高指揮官伊藤源太郎大将はこの計画を阻止する為に動いていた。「あ~疲れるね戦争がようやっと終わったんになぁ」、「伊藤閣下露助がやりかねん事ですけんここは一つお願いしますよ」伊藤源太郎は佐山小次郎内閣と帝都東京の帝国ホテルにて会談をしていた、「んでもあの堅物もんの寺内をどう説得するんだね」、「あの人は甘いものが好きなそうですので水まんじゅうでも送ってみては?」伊藤は匙を投げそうになりながらも佐山のお願いをしぶしぶうけ菓子折りを持ち寺内真之元海軍中佐の元へ向かった。

コンコン、空は雲一つなくとても暑い日であった、伊藤は汗をかきながら寺内の家へ向かい着いたところであった。ガラガラ 扉があいた、そこに居たのは髪は伸びひげも剃らずやつれた姿の寺内が居た。「お前なんだその姿は!!」叱責する伊藤を後目に寺内は酒瓶をおもむろに出し飲み始めた、そして彼は不満げに伊藤に問うた「私は海軍を辞めた者です、それなのに何故伊藤さんがここに居るのです?」伊藤は寺内の姿に苛立っていたがそれを抑え冷静に答えた「君は露助が北海道を占領してるのは知ってるね、その露助は今我々が住んでいる本州に攻めようとしてきている、君は嫌ではないかねここがロシアになるのは?」「もう一度言います私は軍を辞めた身です、どうかお引き取り願いたい」寺内は苛立ちを隠せず怒鳴りながら答えた。そんな彼に伊藤は苛立ちを隠せず「君の気持は分かった、だが明日呉鎮守府には来てくれよそうしないと強制的に連行する」伊藤は寺内に菓子折りを押し付け逃げるように去っていった。菓子折りの袋の中には水まんじゅうと伊藤の紹介書が入っていた

寺内は家の中に入り押し入れの中からボロボロの海軍の制服を出し感傷に浸っていた

そして次の日行くことを決心し呉鎮守府に向かった、そして正面の門で紹介書を渡し思い出深い呉鎮守府へと戻った 続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幸運の風になって 石鎚榛名三里の山 @fusoukokoku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ