行列

紫閻-sien-

真夏のとある日の昼時

うだるような暑さの中

最近 話題のラーメン店の行列に並んでいる男


あまりの列の長さに気を失いそうになる


気を・・・


「お前 誰だ」 そんな怒鳴り声で意識を取り戻す男


(ココはどこだ?)


目が覚めて男は驚いた


さっきまで賑やかな繁華街にいたはず

だが 目覚めた場所は薄暗く静かな何も無いところ

しかもあんなに暑かったはずなのに肌寒い


さっきと同じ状況なのは行列に並んでいるという点だけ


ただ その行列なのだが 皆 一様に白い着物という いでたち


自分はと見てみると 白いTシャツにジーンズ

ジーンズの後ろのポケットには自分の財布


間違いない男が着てきた服だ


(良かった・・・) 何故かホッとした気持ちになる


ココはどこか 行列に並んでる人達は何者か

色々な考えが頭の中をグルグル駆け巡る


「お前 生きてる人間だな」 もう一度聞こえる怒鳴り声


恐る恐る声のする方を見ると そこには鬼がいた


「○‪✕‬△@□・・・・」 声にならない悲鳴をあげる男


「なぜ お前はここに居る まだココにくるべきではないだろ」


最悪だ 別の鬼も来た 恐怖で気を失いそうになる男


気を・・・


「あの~ 早く動いてくれませんか」 その声で意識が戻る


目が覚めると 元の騒がしい繁華街

太陽が眩しく 酷く暑い


この騒がしさも暑さも 男は先程までイライラしていたが

今は何故かホッとするものになっている


ふと前を見ると列が少し動いている


後ろの人に詫びを言い 慌てて動き出す男

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行列 紫閻-sien- @sien702

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