速読過ぎてBANされている人がいます。対応が「トリあえず」ではないか?

青切

速読過ぎてBANされている人がいます。対応が「トリあえず」ではないか?

 カクヨムで、読むのが早すぎる人が、また、アカウントを削除された。

 自分が見知っているだけでも、これで三件目である。うわさでもいろいろと聞いている。


 読むのが早すぎてアカウントを削除とは、どういうことか?

 速読の人が、「作品を読む→評価をする」を繰り返した結果、短期に、読まずに星を大量につけている(星爆)と勘違いされて、運営に是正を求められ、それに応じられずに、応じずにアカウント削除へ追いやられている現象である。


 人力でやっているのか、AIがやっているのかは知らないが、機械的にとりあえず、怪しいアカウントは取り除こうというのが、運営の方針のようである。


 速読の人は自分の行動に問題があるとは考えていない。ただ読むのが早いだけだからだ。それはそうだろう。

 それどころか、カクヨムというサイトの潤滑油になっていると、誇らしく思っている人も中にはいる、いただろう。なぜなら、サイト名が、カク『ヨム』だからだ。たくさん書かれても、たくさん読まれなければ、サイトとして成り立たない。その面で、速読の人は、実際に、カクヨムに貢献している、貢献していた。

 付き合いのあった、速読だった人は、義憤を抱きつつ、自らアカウントを削除した。その無念を運営にはご理解いただきたい。


 運営側の事情もわからぬでもない。

 おそらく、広告収入だけではサイトを維持できていないだろう。だからといって、厳しい経営環境に置かれているKADOKAWA本体にむりなお願いはできない。自然、しわ寄せは、サイトの運営組織の慢性的な人数不足に現れていることだろう。私も二件、不具合報告をしたが、音沙汰なしだ。しかし、運営の実情を理解して、解決が長引きそうなことに不満はない。


 しかしだ。問題は、労力をかけずに、星爆をする者たちをなるべく排除しようとするあまり、その基準を厳しいものにして、ただ読むのが早いだけの人たちも巻き添えにしている点である。

 多数の悪人を倒すために、少数の善人の犠牲も止む得ないという精神は、なるほど、実利を優先せねばならないサイトならばわかる。しかし、カクヨムは文芸という芸術にかかわるサイトだ。果たして、本当にそれで、いまのままでよいのだろうか。


 悲劇を繰り返さないための当座の対応策としては、

①星爆と認定する基準を緩める

②アカウント停止の警告を出す前に、該当アカウントにアナウンスを流す(警告時点で対応が不可能な場合があるから)

③啓蒙活動をもっと行う

であろうか。


 もちろん、いちばんの癌は、悪意の有無を問わず、星爆を行う者である。彼らへの啓蒙活動をつづける必要はあるし、時には厳しい処置もしなければならない。

 だが、繰り返しになるが、とりあえず、厳しめに対応しておけばよいと思考停止に陥り、そのせいで割を食う善人の悲憤を無視するのはいかがなものであろうか? 『小説』の投稿サイトとして。


 しかし、しかしだ。残念ながら、現状が変わるまで、我々はその現状、現実に基づいて行動する必要がある。

 速読の人は、読み方を工夫して、アカウント削除の対象にならないように活動を行ってほしい。あなた方は、カクヨムにとって、実に有益な存在である。みなが、助けられている存在である。ご自身の活動を守ってほしい。「読むのが早いだけで、私には問題がない。問題がないから、読み方を変えるのは嫌だ」という考えはわかるが、そこは置かれている現実を見て、判断願いたい。

 読む感覚を空ける、間にレビューを書く時間をつくるなど、自己防衛のための行動を取ってもらいたい。私はこの世でいちばん貴重なものは「時間」だと思っている。その時間をかけて行った行為の跡が見られなくなるというのは、もったいなくはないだろうか。重ねて言うが、現実に基づき、自己防衛をお願いしたい。多読で、いろいろな本を読んでいるあなた方なら、承知していただける話だと思っている。

 なお、速読の人に留意願いたいのは、アカウント削除の前にアナウンスがいちおう流れるが、削除を回避するハードルは高く、そこで諦める人が多いようだ。表面化してから対応しようとしている人はご注意を。やはり、事前の予防が肝要である。


 また、星爆さえなくなれば、速読の人が悲劇に見舞われることはないのだから、そういう行為をしている人、しようとしている人は自重を願う。結局は発覚して、アカウントを停止され、あなたがたの目的は達成されない。貴重な時間を無駄にすることがないように願いたい。

 あなたがたが星爆をする裏で、泣くことになる善人がいること、カクヨム運営のリソースが本来無駄なことに使われていることを自覚して、意味のないことを行うのはやめよう。やっても、あなたがたに利益はない。単なる時間の浪費である。


 疑わしきは罰せずという言葉がある。いまの星爆対策は疑わしいだけの者も罰している。

 運営には運営の事情があるのは百も承知だが、それでも、「トリあえず」の対応に見える部分がある。泣いている善人がいることは、運営もとうぜん知っているだろう。

 多忙なのは重々理解している。我々は運営にたいへんお世話になっている。その労苦に感謝している。

 だが、直さなければならないものは、直さなければならない。カクヨムとKADOKAWAの理念に照らし合わせて、善処を願う。

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