青い鳥 ～青井さんと鳥居君と文化祭～

卒業後

　俺は東京の大学。

　香織（かおり）ちゃんは地元に就職。

「とりま、4年経ってもさ、気持ちが変わらなかったら迎えに来てよ」

　それぞれでがんばろう。

　そういったのは、香織ちゃんだった。

　俺は内心、香織ちゃんは素敵な人だからほっとかれないだろうな、俺ががんばらないと香織ちゃんにバイバイされてしまうと戦々恐々。

　東京の大学にはきれいな子はたくさんいるし、遊び場も多いけど、青い鳥は地元にいるのだ。

　香織ちゃんは……。

「光太（こうた）んところのほうが落ち着くしぃ」

　って、俺の部屋に入り浸り、休日になれば。

　独り暮らしのはずの俺の部屋に、今日も香織ちゃんの私物が増えていく。