はなさないで〜名古屋ver〜

ライブ？

ここは、とあるライブ会場

シンガーソングライターのNORIHUMIがライブを開催している。

ステージにあるマイクの前に、NORIHUMIが立っている。

「最後の曲になりました、次の曲は、新曲です、みんなの前で初披露したいと思って作ってきました」

「おー！」と歓声が上がる。

「この曲は、ウィンターソングになっていて私自身、初のバラードになります、では聴いてください」

　　　　　『はなさないで』

　　　　　　　　♪〜

　　　　ピアノの前奏が鳴り始めた。

　　　　　　　　　◇

　　　冬の雪が〜降っている商店街（まちかど）で

　　　君と僕は〜出会ったー

　　　一目見た時から僕は心を奪われ〜

　　　君を好きになったー

　　　君の前を毎日、通り過ぎるたびに

　　　僕の心を温めてくれたー

　　　いつも見ているだけだったけど〜

　　　僕は〜君にこの想いを伝えた〜くて〜

　　　隣にいる〜お姉さんにー

　　　声をかけたんだー

　　【あのー　ひととおりください】

　　　味の〜よく〜染みたー

　　　だいこんやたまごも〜いいけれどー

　　　僕が〜1番好きな〜ものはー

　　　東海地方の〜人しかー

　　　知らない〜あの〜赤いやつ〜

　　　そ〜の〜名はー

　　　あ〜か〜ぼ〜うー

　　　味噌を〜かけると

　　　なお〜うま〜いよー

　　　みんな〜冬の〜定番から〜

　　　はな〜さな〜いで〜

　　　あなたの〜食卓に〜

　　　いかが〜かなー

　　　おいしい〜

　　　お〜で〜ん〜！

　　　　　　　　　◇

「みんなー、私のスポンサーでもある、これ買ってねー」

「ちゃんと赤棒もこの中に入っているから、名古屋のみんなー、安心してくださーい！」

NORIHUMIが、おでんのパックをみんなに見せるように掲げている。

　　　　　　　　　◆

とある住宅

夫　「いやー、毎年思うけど、このCM見るともう冬がすぐそこまでやって来た気がするなー」

妻　「そうよね〜、ちょうど、今日の夜ご飯は、おでんなのよー」

妻が台所から持ってきた鍋から、いい匂いがしてきた。

夫　「いい匂いだなー」

妻がリビングのテーブルに、鍋を置いた。

夫　「おー、ちゃんと、赤棒が入っているなー」

妻　「あなたが、赤棒が入ってないとおでんじゃないっていうから買ってきたわ」

夫　「いやー、毎年あのCMが流れるから、これがないとしっくりこないんだよ」

妻　「あら？CM様様ね、さぁ、冷めないうちに食べましょう」

夫　「そうだな！」

夫妻　「「いただきまーす」」

　　　　　　　　　　終