ネノネ
一粒
序章
「この世」が、なんであるか?
真実を手繰り寄せようと、調べに調べ、本当のことを知ろうとする人がいる。
「迷いし子羊よ。」
「『子羊』って?」
「自らの、あるべき姿。生き方に迷ったもののことである。」
「良く分からないな。」
「そう。「分からない」」
「1番、始まりと、終わりから遠ざかった状態にいる。始まる前を、終わった後を、すっかり忘れたもののこと。」
「もっと、分かりやすい言葉で表してよ。」
「きれいさっぱり、産まれる前を、忘れた状態のもの。」
「きれいさっぱり、死んだ後の事を、忘れた状態のもの。」
「1番の理想系。」
「なんで?」
「それを求めたから。求めたものが手に入った状態の事を、『理想』と、言うんじゃないかな?」
「『子羊』が、『理想』?」
「『迷える子羊』が、『求め』ていたもの?」
「そう。」
ネノネ 一粒 @hitotubu
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