第39話虎熊童子③

2035年6月3日。

 虎熊童子は岩手で妖怪達を殺していた。遠野じゃ飽き足らず、ついに盛岡までやって来た。

 そこで妖怪を殺していると近くにいた人間に目撃され、証拠隠滅のためにその人間を殺したりと虎熊童子はやりたい放題だった。


 2035年6月4日。

 研究室にいる小香シャオシャンの元に、ヨハンセンからテレビ電話がかかってきた。

 ヨハンセンは興奮気味に

小香シャオシャンさん!大変だ!もう近所がめぢゃぐぢゃだよ!おらとビョルンは無事でしたが、近所で何人が亡ぐなった方が出で…阿鼻地獄だわ」

 小香シャオシャンが聞いていると近くにいた小巻が何事か尋ねて来たため、小香シャオシャンは説明すると小巻はスマホの画面に向かって

「失礼します。ヨハンセンさん!私、京都の大学で妖怪の研究してます胡桃沢小巻と申します。そのご近所でどれぐらいの方が亡くなったんでしょうか?」

「隣の果物農家の村上さんの旦那さん、お向がいの豚の畜産してら菊池さんのお祖父ぢゃん、歩いで5分のどごろにある飲み屋の奥さん、たまに一緒にご飯食ったり飲みに行ったりする河童の慎平だ。」

 小香シャオシャンと小巻は話を聞きながらメモを取っていた。

「鬼がやったのはわがってら!」

 ヨハンセンがそう言うと

「胡桃沢先生!酒呑童子の手下は金熊童子と星熊童子の他に誰かいましたっけ?」

 小香シャオシャンが尋ねると

「右腕で唯一逃げ切った茨木童子、後は虎熊童子に熊童子よ!」

 小巻が答えた。

「じゃあ、その中に」

 小香シャオシャンが言うと、小巻は頷いた。

「そう考えるのが自然よ」

 小巻がそう答えた。

「確が、助がった人の話によるど、鬼は虎熊童子って名乗ってましたよ」

 ヨハンセンが思い出すように話した。

「虎熊童子ですね…」

 小巻が考え出した。

「とにかく、ありがとうございます。失礼します」

 そう言って小香シャオシャンは電話を切った。

 最後にヨハンセンは2人の無事を祈っている事を告げ、電話ん切った。

「胡桃沢先生…」

「後少しで酒呑童子と戦う事になるわ!小香シャオシャンちゃん、気をつけて。私は、それにしか言えなくて申し訳ない」

 小巻は真っ直ぐ小香シャオシャンを見ていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る