自殺しようとする女子を助けた結果

星尾月夜

第1話 あれは何?

俺は宮藤晃志郎、高校2年生だ。顔に自信はないからモテもしない。ただ普通の高校生って感じだ。

「さあ〜今日は自転車で帰るかなぁ〜」

俺の友達は、前までは俺と帰っていたものの、友達に彼女ができて、友達はその彼女と帰ることになったのらしい。俺はひとりぼっちで自転車を押した。

「風は気持ちいのに………。なぜこんなに寂しいんだろう」

自転車に乗りながら静かに吹く、そよ風が最高に気持ちよかった。俺は辺りを見渡した。

「……あれっ?」

俺は、あるものを発見した。中学生くらいの女の子が、橋の上に乗っている。………ふざけているのだろうか。まあ、セクハラ罪になるのもイヤだし、さっさと帰ろうかな。そう思ったとき。

「え?」

その女の子は、飛び降りる体勢になるかのようになっていた。辺りはもう薄暗くなってきている。俺は、「ふざけてるだけだ、何もありやしない」と思っていた心が、スッと体から消えていくような感じがした。

「何だこの感覚‥」

風があるからか、本当にその気持ちを表しているのか。俺は何が何か分からなかった。でも次の瞬間、全てが分かったような気がした。そう。その女の子はふざけているのではなく、本気だったのだ。まさに自殺というものをするために。俺は理解した。助けなければ。そうしないとあの子の命が危ない!例え自殺としても家族は悲しむ。早く助けないと。早く、早く。俺は自転車をその場で倒してしまった。

「ああっっ!」

俺はそんなのも気にしずに走った。命を助けにいく、という感覚は勇敢な騎士になったような気がした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自殺しようとする女子を助けた結果 星尾月夜 @yyamaguchi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ