脱力して元気が出た話

仲津麻子

脱力して元気が出た話

 KAC2024の回目のお題「ささくれ」。

 このお題を見た時から、昔見たフラッシュアニメが頭の中で繰り返しリピートして、小説を考えられなくなってしまいました。


 すっかり忘れて思い出しもしなかったのですけれど、一度思い起こした記憶は強烈で離れなくなりました。


 作者はChiiさん。動画のタイトルは「ササクレパンダ」「ササクレ音頭」など。検索してみたら今はユーチューブで視聴できるようです。


 パンダのぬいぐるみが動いて(踊って?)、おそらくChiiさん自身の可愛らしい声で、ちょっとバカバカしい歌詞の元気な歌が流れてきます。


 十数年以上前のことです。

当時の私は脳腫瘍で闘病中だった父の看護にあけくれていて、片道一時間以上かかる入院先へ毎日通っていました。


 母は父の病院へ付き添いに行ったままで、夫は仕事で忙しくしていて、今思い出すと、一番大変な時期だったのかもしれないと思います。


 自分では大丈夫、元気だと思いこんでいましたが、実際には少し疲れていたのでしょうね。


 普段飲んだことのない栄養ドリンク剤を衝動買いして飲んでみたり、気分が滅入って考えが色々と悪い方にばかり巡ってしまったりしていました。


 そんな時、あてもなくネットをさまよっていて偶然見つけた動画でした。


 イントロが不器用なリコーダー音ではじまって、なんともたわいのない歌詞で元気な歌声に脱力したというか、呆れたというか(笑)


 それでもなぜか気になって、繰り返し何度も再生してしまっていました。


 Chiiさんは、ササクレパンダの他にも「モフモフ」というアニメ動画も作っていて、この後小学低学年向けの学習雑誌に連載を持つようになられたようでした。


 モフモフは宇宙から来たモフモフという不思議生物と女の子のお話で、こちらも可愛らしくて癒やされました。


この先どうなってしまうのかと不安ばかりだった時に、そんなこと笑い飛ばしてしまえとばかりの歌に惹きつけられたのかもしれません。

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