第17話 再開

 フォルティスが宮廷魔法使いと戦っている間、意識を失ったアランは見覚えのある場所に来ていた


 気が付くとどこか見覚えのある…この真っ白で何もない空間どこかで、まさか俺ま

「また死んだわけではありませんのでご安心なさい」


 この声、まさか


「そのまさかの女神ですよ、お久しぶりです。五年ぶりでしょうか」

 この女神は相変わらず人の心を簡単に読みやがって、プライバシーのプの字もないやつだな


「ひどいですね、これでもかなり配慮しているつもりですよ」


 ねぇ、前にも言ったと思うけど人の心読むのやめてくれない


「しょうがないですね」


 しょうがないもクソもないよ


「それで、俺は何でまたここにいるんだ、死んでないって言ってたけど」


 俺は第一にその質問をする


「この場所にあなたがいるのは私が呼んだからです。あなたはつい先ほど「アレス」と唱え魔法を使ってしまった」


「それがどうかしたのか」


「あれは魔法でありません」


「魔法じゃない、さっき自分でも魔法って言ってただろ」


「これを見てください」


 女神は何もない空間から鏡を取り出し俺に見せる


「は?なにこれ、本当に俺なんだよな、目とか髪も色変わってるし」


「だから言ったでしょう、あれは魔法ではないと」


 女神は鏡を何もない空間にしまいながら言う


「じゃあ何なの」


「あれは神力です」


「しんりょく?」


 なにそれおいしいの


「神の力と書いてしんりょくです。あなたはその神力を魔力の代わりとして使ったのがアレスです」


「なるほど」


 これで魔法がどういった原理で発動しているのか理解できた。つまり魔力は電流、魔法は負荷、イメージは電圧、体が電源と回路の役割を担っているということか、道理で師匠に魔法の同時発動をしたとき威力が変わるわけだ


「彼があなたに力を貸さなければ、こんなことにはならなっかったですが」


 彼?軍神アレスのことを言っているのか、だとしたらあの現象は神が干渉しないと起きない、その場合で考えると父さんが急にあんなことをしたのは


「前世でも察しが良すぎると言われませんでしたか」


「ということは当たりかよ」


「私は道を外した者をもとの道に案内したにすぎません」


 こいつ、今更だがやばい…さすがに話題を変えるべきか、そうだ神力!神力について聞こう


「ところでさ、神力って一体何なんだ」


 私が心読めることを忘れたのでしょうか、はぁ乗ってあげますよ


「神力というのは神しか持たない力のことです」


「だったらなんで人間の俺に神力があるんだ」


「あなたがこうして私と会話しているからですよ」


 それだけで人間に宿るものなのか、それより会話だけでいいなら今も神力はさらに上がっているのか


「…、どうやら現実世界での面倒ごとは終わったようなのであなたを帰還させます。目が覚めたら師匠にお礼を言っておくといいですよ」


「あちょっと待って」


 女神は指をパチンと鳴らすと、体中から力が抜け眠気が…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る