第4話

「先に3点取った方の勝ちです。では、始めッ!」


「第一問!『スキル』【センターファイアー】を生み出したのは…」


ピンポン!


「どうぞ、青山選手!」


「センターファンドさん!」


ブッブー


「不正解です!問題文の続きをどうぞ!」


「センターファンド、ですが、そのスキルを最初に使い、倒したモンスターの名前を答えなさい」


ピンポーン


「どうぞ、園田選手!」


「ウォターウルフです」


「正解です!」


「園田選手に1点!」


観客からそわそわと声が聞こえる。


「青山ってあのめちゃくちゃ有名な?」


「だよな。早とちりじゃん」


「あんの野郎!俺様はすごいんだ!」


「次に行きまーす」


「…!!!」


「第2問、『アスファルト・コネクト』を作ったのは、ア…」


ピンポン


「どうぞ青山選手!」


「アスファ・ライト!」


「不正解です」


「アスファ・ライトさんです。アスファ・ライトの生まれた場所はどこ?」


ピンポン


「どうぞ、園田選手」


「アラマヌガ村」


「正解です!」


「第3問、先ほどのアラマヌガ村の地形の地図を配ります。この中で間違っている場所を先に3か所見つけましょう」



園田選手はすらすらと丸を付けている。


一方で青山選手は…

頭を抱えて悩んでいる。


勿論園田選手の勝利。


そこからも難なく園田選手が勝ち進んでいった。





「決勝戦は、園田そのだめぐみ選手対、荒縄あらなわ来季らいき選手!」


荒縄来季は、まだ12歳。

それでこの知識量といったら世界一かも知れない。

だが、園田も負けてはいない。

ココでは知識て争う。

年齢は関係ない。



「第一問世界で一番大きい村の名前は…」


ピンポン


「どうぞ、来季選手!」


「100万人」


「正解です!問題文の続きをどうぞ!」


「フォー村、ですが、フォー村の人口は何人でしょう」


「第二問!クロスジャー・ロルフォで…」


ピンポン


「どうぞ、来季選手!」


「ライム」


「正解です!問題文の続きをどうぞ!」


「有名なクランブル村ですが、そこで有名な果物は何でしょう」


「第三問!この地図の白紙のところを埋めなさい」


ピンポン


「どうぞ、ラ…あ、園田選手!」


「これです」


「こっ、これは!」


そこには地形までしっかり描かれた地図が書かれていた。


「いま、丸付けをしてもらっています。あっ、ありがとうございます。えっ!」


会場全体がソワソワとしていた。


「これは、地形、建物など、全てが書かれているので、さ、3ポイントを与える、だそうです…」


「これは…園田の勝利か?!」


「いや待ってくれ!こんな地図の問題で良く出来ていたからって俺を不合格にするってのか?!理不尽すぎないか?」


来季が訴えてくる。


「確かにそれもそうだね」


「ああ。そうだな。園田に悪いけどそっちのがしっかりした根拠がある」



「そんなに園田さんを不合格にしたいのか!」



ビクッ!

会場にいた全員が驚いた。

低い声にどっしりとしているのだがどこかで恐怖を感じる。


「王様だ…」


王様が王者選手権に来ることは毎年恒例の事である。



「私が園田さんがパーティーには必要だと判断した。それ以外に何か理由はいるか?!」



会場全体がしんと静まり返った。



「ならば園田さんを合格にしろ。そして来季!彼はイカサマをしている。スキル、先読みを働かせて問題文をすべて読み取っていた」


「なっ…馬鹿な!最初に先読みを働かせないためにポーションを…!」


「先読みレベル3まで到達すればポーションを使っても使えるようになってしまう」


「そんなことが…」


「所持魔法を見ればわかることだがな」


そう言って所持魔法を開いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る