クリスタル・ガンパウダー

ナント

第1話 セーフティー・オフ

『お待たせいたしました、ミルクティーです』




そう店員が言い、俺の目の前にスティクシュガーとミルクティーを置いた。



『ありがとうございます』



そう言う俺を親友の"坂東"は呆れたような顔をして見ていた。



『"薬都"いつもそれ頼んでるけど飽きないのか?』



確かに言われてみれば俺はこの喫茶店だとミルクティー位しか頼んでなかった。



『そりゃ飽き―――』


『まぁ良いじゃんか、それぐらいここのミルクティーが薬都の口に合ったて事何だからさ』



俺が話そうとした瞬間もう1人の親友"真句"がそう言った。




『ふーんそんなに美味いなら俺も飲もうかな、

すいませんー!店員さんー!』



そう言う坂東を横目に俺はテレビに視線を向けた。



『今年で"ベルトゲート"が開通してから10年が経ちました。

開通10周年記念としてこの番組では、"アフト"と

"ポルタ"の今と昔を見ていきましょう』



ベルトゲート、2020年に突如として世界中に発生した、アフトとポルタを繋ぐ神殿の事を言う。



アフトと言うのは俺達がいる現世の事を言い、逆にポルタと言うのは魔法がある異世界の事を指す。



最初は皆ポルタ人に警戒していたけど今となっては警戒している人は殆んど居なくなった。



ポルタ人には色々な種族がいる、獣人族やエルフ族

珍しいのだと竜人族もいる。



(何ならさっきの店員さんエルフ族だったな、男だけど)


『薬都―――』



(そういえば獣人族は料理に毛が入るから飲食業ではあまり採用されないらしいけど、今獣人族のアイドルが活躍して―――)



『薬都!』

『うわぁッ!!何だよ急に!?』


『やっと気付いたよ....さっきから呼んでもお前気付く素振りも無かったぞ』



そう言い坂東は、呆れた顔をした。



『あぁすまん、何の話だったんだ?』



『俺達が小学校の頃にタイムカプセルを埋めたの覚えてるか?

それを今、掘り返さないかって言う話だよ』



確かに昔タイムカプセルを埋めた記憶はあった。

だがそれは、今から何年も前の時だった、

しかもその埋めた場所は田舎で既に廃村になっており今や誰もかもが忘れた村だった。



『埋めたのは覚えてるけど、何処に埋めたのかも忘れたからな、行ったとしてどう見つけるんだよ?』



俺がそう言った時、坂東と真句は何故か得意気な顔をした。



『それがな、俺達お前が門限で帰った後に埋めた場所の近くの木に印を付けたんだよ』


『だからさ!車は俺達が出すから、お前も行こうぜ!』



(うーん、まぁ今日暇だったし車出してくれるのなら行こうかな)



『わかった、俺も行くよ』


『よしっ!そうと決まったら早く飲んで行くぞ!』



そう言い真句は、目にも止まらぬスピードで

カフェオレを飲み干していった。
















































































































































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