第5話 7カ国同盟

『聞こえるか、アクト・フレームのパイロット。

 今すぐ戦闘行為を終了し、指示に従え。』

通信の内容を理解する間もなく、レットは頭上に大きな影がある事に気がついた。

「な、なんだ……あれ……」

頭上を見上げると、宙に浮いた戦艦というには貴重な外見の艦が太陽を遮っていた。

「も、もしかして……帝国の……?」

レットの思考に最悪の2文字が浮かぶ。

この戦艦から援軍が来たら……

(一か八か、聞くしかない!)

レットはシステムディスプレイを操作し、通信画面を開く。そして、通信ではなくスピーカーを選択する。

「あなた達は、どこの軍ですか!帝国なら、抵抗し

 ますよ!」

一泊置いて、再び通信が入る。

『……我々は、7カ国同盟軍だ。アクト・フレーム

 のパイロット。抵抗は構わないが、そうすると反

 逆罪で7カ国を敵に回すぞ。』

「7カ国、同盟だったのかぁ……抵抗はしませ

 ん。でも、街の皆を助けて下さい」

『……了解している。』

数分後、艦がゆっくりと街外れの平野に降下していく。街の外にいた人溜まりが固まる。

どうやら、帝国の艦だと思っているのだろう。

レットは再び通信画面からスピーカーを選択する。

「皆さん!この戦艦は7カ国同盟のものです!あれ

 に乗って避難してください!」


「な、なんじゃありゃあ……」

街の住民は困惑していた。

まぁ、無理はない。

帝国がいきなり街を破壊し、洞窟を爆破したかと思ったら謎の人型機体が現れ帝国のフレームを殴り倒しだと思ったら今度は巨大な戦艦が出てきたのだから。

(あの戦艦……まさか、レギリストスか?)

鉱石採掘用フレームに搭乗して住民を先導していたレットの父が構える。

その時、帝国のフレームを殴り倒した人型機体が声をあげる。

『あなた達は、どこの軍ですか!帝国なら、抵抗し

 ますよ!』

その声に、住民が驚愕する。

「まさか……この声、レットか……?」

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