第6話 遅刻寸前

 走って学校に向かう。髪の乱れより、今は学校に遅刻しないことを目的とし、急ぐ。入学式の途中に、入学生でもないのに一人入場なんて嫌過ぎる。なんで新学期初登校が入学式かって言うと、普通2~3年生って、入学式の準備する為に、早めに学校って始まるじゃない? なんだけど! 春休み最後辺りから風邪こじらせちゃって、今日まで休んでたんだよね! だから、風邪で休んだ挙句、遅刻はまずいわけ!!


 途中で猫を見かけて、撫でたい欲を抑えたり、散歩中のわんちゃんを撫でたり、道行く人に挨拶をしたりと、いつも出来ることが出来ずにいて嫌ったらありゃしない。

 だけど、隣にある海は、いつもと変わらず、私の背中を押してくれた。


なびく潮風と共に、私はまだまだ走る。


 そんなこんなで学校の校門につく。が、やっぱり通学路に生徒を一人も見かけなかった。これはやばいと、玄関で自分のクラスを確認する。

また急いで、自分の下駄箱へ向かう。靴をいれて、慌ただしく上靴を履く。先生も誰一人としていない。急いで階段を駆け上がり、2階の2年1組の教室に向かう。下の階でドタバタした足音が聞こえていると思う、恥ずかしい。

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