第5話 私の憧れ

 メイクが完璧に仕上がったことを確認したら、いつも通りの制服を着る。それもセーラー服! ブレザーも可愛いし、嫌いってわけじゃないけど、セーラー服着た黒髪ロングの女の子って、強い感じというか。堂々としてる感じがして、とても美しくみえるから、好き。私は、今はメンタルも強いし、口も悪い。けど、その意見を言うには、どうしても時間がかかってしまう。その間に置いて行かれる。だから、私にとって強い女性は、堂々たる振舞、自分の意見をはっきり言う、惹きつけられるオーラを持っている人。そんな人に、いつかはなりたいと、思いを馳せる。

 そんな大好きなセーラー服を着て、スクールバッグを持って、忘れ物はないか何回も確認をして、お母さんの声のする一階に降りる。


 テレビで天気予報や占いを見ながら、こんがり茶色に焼けたパンにバターを塗って、かぶりつく。ちなみに今日の運勢は一位! 良い事あるといいな、なんて思いながら、またかぶりつく。


 パンを食べ終えると、洗面所に行って、薄くリップを塗りながら、また鏡と向き合う。髪にどんなアレンジを加えようか、メイクや気分のことを考慮して、悩みに悩む。


 数分、鏡とにらめっこしたあと「今日入学式でしょ、遅れるわよ」というお母さんの声を聞き、慌ててくしで髪をとかし、スクールバッグを持って、玄関に向かう。スマホも忘れずに、校則では違反されてるけど、こっそりね。


 そして、慌ただしく靴を履き。

 「行ってきます!」

 といい家を出る。

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