春を贖う

シキウタヨシ

黄色が目について




あが手にもはるやひとつも分けとくれミモザ贖いくる帰りみち



片隅に春売っていて足を止めミモザ二本を買って帰りぬ



かたぶきつある陽光の中ミモザいよいよ黄色く吾の手で輝く



われからのミモザと聞きいし父の言う「コート片せよ」の柔らかさ



沢山の人らが春を求めたか本日ミモザは一本(ひともと)だけに





/了(「置き場」掲載)

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春を贖う シキウタヨシ @skutys

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