夏よ早く来い

イオマンテ

第1話

小さい頃にお祭りでよく買ってもらった瓶ラムネ。ビー玉を落とす力がなくてお父さんに開けてもらっていた。今では瓶がプラスチックに変わり、簡単に自分の手で落とすことができてしまう。祭りでしか飲めない特別感も、あの頃の無垢な心も泡と一緒に消えてしまった。

夏には独特の時間の流れがあり、それにいつも溺れそうになる。

夏よ早く来い。

春の陽気な色も、秋の鬱陶しさも、冬の痛さも大嫌いだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夏よ早く来い イオマンテ @iomannte

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ