自己形成

 壊れないモノには二種類ある。剛と柔を巧みに組み合わせて、環境からの力を受け流す構造を持つ頑丈なものと、自らを常に自己形成し続ける構造をもつもの。後者の典型例なのはクランク内の潤滑油膜などですね。あれは回れば回るほど圧が高くなることで、計算上の油圧は無限大になってしまうらしいです。というかその均衡が崩れないように設計するんでしょうが。


 河川なんかも自己形成作用ですね。「行く川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたかは、かつ消え、かつ結ぶ」

 構造が作動して自らを形成することで初めてそれが川であったり油膜であったり出来る。


 生命活動も自己形成の最たるものですね。

食べ物を食べて自らを形成して、それがまた食べ物を要求して動く。


 こういう複雑なシステムにおいては、ある行為が直観と逆の事をもたらす事がある。食べる量を減らして減量って思っても危機感を覚えた肉体が新陳代謝を低下させ、排泄を抑制して効率よく取り込むように進化してしまい同じ量でより太るようになる。

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