【KAC20242】内見に行ったら、すでに成約済みだった件

尾岡れき@猫部

内見に行ったら、すでに成約済みだった件

家を買うって、一世一代の大イベントだと思うのです。そこで今回は、尾岡が経験した「家を(ローンで)買おう!」なお話をしたいと思います。


と言いながら、尾岡は賃貸派でした。医療・介護でお仕事をしていると、終の棲家はなかなか難しい。賃貸なら、老朽化すれば大家さんにメンテナンスをしてもらったら良いと思いますしね。


もちろん、高齢になってからの入居は、保証人の問題が発生して、なかなか入居させてもらえないという現実もあります。高齢者が自分のアパートで死んで欲しくない、と思っている大家さんは少なからずいる。これは現実なんですよね。


前置きが長くなりましたが、そんな賃貸派の尾岡が「家を買おう」と思ったのは、実は両親との同居を検討したから、なのでした。


結論から言うと、同居はしましたが、生活のリズムが合わず結局、別居。

同居って、そんなに簡単なことじゃないからね!

ココ大事!

めちゃくちゃ大事!


でも、ココに至るまで。そして、今も。本当に支えてくれて、気にかけてくれる相方さんには本当に感謝なのです。


さて、それはさておき、家を買うと決めた尾岡家です。両親、妹のスペースを確保しながら、チビズと猫さん(当時は一匹だけでした)とそして相方さんが満足してくれる家を探したい。


贅沢は言わない、中古物件で良い。そう思って、相方さんと探しました。築40年、ボロボロ加減が丁度良い。これなら、どう手を加えても遠慮しなくて良い。猫さんも気兼ねなく過ごせる。


(大家さんからペットOKの許可はもらっていましたけどね)


問い合わせて、さて内見です。こちらでは内覧と言う方がしっくりきますね。


なんでも、東は内見。

西は内覧らしい。


というわけで、内見当日です。


現地で合流した不動産担当スタッフが言いました。いえ、言いやがりました。


「あの見て頂いて、良いのですが。この物件、昨日、成約されまして」

「「は?!」」


いやぁ、うちの相方さんは温厚なのですが、彼女が他人に感情むき出しな姿を初めてみましたね。


あなた、予定あわせたよね? 

昨日もお願いしますと、言いましたよね? 相方さんがさらに感情むき出しで詰め寄りますが、暖簾に腕押し、ぬかにくぎ。


まぁ、ね。この人、こういう人なんだって後で知りましたよ。

毎年の年賀状の宛名「尾岡霊」と書くぐらいなので。僕の名前は尾岡れきです。


※当然本名は違いますが、それぐらい名前間違いをしてくれた担当者。いっそ、清々しいと思わせてくれました。


「その代わりと言ってはなんですが」


なんですが、とはナンですか。


「別の物件はいかがでしょうか?」


ココからさらに移動しろと……?

でも僕ら夫婦は共働き。当時は尾岡、夜勤もしていまして。二人の休みが合うことそのものが貴重。それがさらに、僕らの感情に火をつけたワケですが。


これを逃したら、次がどうなるか分からない。

そう思った僕らは、なんとか自分達の感情を抑え、渋々と了承したのでした。





■■■





あんぐり、口を開けるってこういうことを言うのね。

当時、築7年の物件。詳細は差し控えますが、良い物件すぎて、僕ら圧倒されてしまいました。

福祉畑で働く僕らには、明らかに分不相応。色々なことを天秤にかけながら思案しました。


ライフプランで考えると、これからも順風満帆とは限らない。でも、残された時間は少ない。両親は他県から移住を希望している。


(結局、同居しなかったけどね!)


引っ越しするにしても、チビズのことを考えると、同じ小学校学区にしたい。

転校して、友達との関係をリセットするのは僕がイヤだったのです。

(父が転勤族だったため、どうしてもそんなことを思ってしまう)


その前から物件は漁っていたので、この物件が本当に良いのはよく分かる。


「はっはっはっ。両親との同居を考えるがんばる若者の応援をしたいだけなんですよっ!」


そう朗らかに笑う担当者。

彼が喋る度に、温度が下がる相方さん。

担当者よ、お前はもう喋るな。


物件に到着してから。

――あっ、忘れてた!

といった呟きを、僕は忘れない。






■■■





その後、クールダウンして、色々と相談をしました。

仮に先の物件を決めたとして。

リフォームは必須。

結果、金額はほぼ同程度。


駐車場は一台。

(我が家は夫婦とも所有。田舎町は車が必須ですからね!)

そう考えると、もう一台、駐車場を借りる経費を含めて、それなりの金額になる。



色々、試算をして。

夫婦で、相談に相談を重ねて。

ちょっと……やっぱり分不相応だと思うのですが、この物件に決めました。


一つは、それなりに転職をしてきた尾岡ですが、今の法人で頑張ってみようと思ったのが一つ。


この地に根を張る覚悟ってヤツです。

あとは猫さんの安心して過ごせる場所になりそうだったので。



結論としては、家を決めるという一大イベント。出会う不動産スタッフさんとの縁は、本当に大事です。


中古物件で考えると。

内見で家を見て。今後どれくらいのメンテナンスが必要なのか。

税金面も。トータルで考えていく必要もあるでしょう。


今相談している不動産ショップは、カタログで良いことだけを言うトコじゃないか?

そこの見極めもユーザーの重要な視点だと思いいます。


まぁ、そういう意味じゃ色々と相談ができたのが良かったです。

(こっちも遠慮がなくなったと思う)




不動産ショップスタッフとは、それなりのお付き合いをしていくことになると思うので、縁はやはり大切にしたいところ。


(尾岡は結果、独自に業者さんを選ぶことにしましたが)


そういう意味でも内見は大事だし、不動産スタッフさんとの出会いは縁だと思います。

なんだかんだありましたが、今年も担当さんから年賀状をいただきました。


「尾岡様、本年もよろしくお願いします」








……てんめぇぇぇっっ!

そういうトコだぞ、このヤロー!!

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