第4話
助けてください。メイド服で外に出ることになりました。
なぜこうなったのか、昨日の様子を振り返ってみよう。
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着せ替え人形タイムが終わり飯を作っていた時に急に姉貴が話しかけてきた。
「遥~明日お姉ちゃんと買い物行k「絶対にヤダ」
当然である。
元男として女の服を着て外に出るなどという変態じみた行動はしたくない(罰ゲームは含めないものとする)
それに今日僕が買い物に行ってたわけだし。
そのことを姉貴に伝えると…
「何言ってるの?かってないものがあるじゃん」
「…何?」
正直全く予想がつかない。
食材はまだ買いだめでストックがあるし消耗品の類も予備がまだあったはずだ。
枯渇していたトイレットペーパーと姉貴と俺の分のお菓子を買いに行ったわけだし。
「君のし・た・ぎ・だよ☆」
「……」
「そんなわけで明日下着を買いに行こう!あ、もちろんメイド服でね?」
「いやいやいや!百歩、いや万歩譲って外に出るのは認めたとしてメイド服なんて来たくないって!そもそも姉貴のお古使えばいいじゃん!」
「男の子はデリカシーがないね…いやでしょ、下着のお古なんて」
「それは…そうかもしれない…」
「後、これ」
「なんで!?罰ゲームの女装の写真なんでとってんの!?」
「もし断った場合、この写真を遥の高校のホームページに張り付けるから」
「ぜひご一緒させていただきます」
男としての尊厳<周りからの評価
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てな感じで今日出かけることになったわけだ。
orz、行きたくない。
「何してんのほら行くよ」
「いーやーだーいーきーたーくーなーいー」
「いいの?お姉ちゃんに喧嘩吹っ掛けて」
「喜んでいかせてもらいます」
何せ姉貴は概念系能力の最強格だ。
それはもう、テレビや雑誌にも乗るくらいには有名なほどに。
いくら俺が特殊な戦闘者だからって力の使い方もわかっていない赤子がラスボスに勝てるわけがない。
命大事に。これ鉄則。
「ねえねえ、あれって楓様じゃない?」
「本当だ!すっごい美人…」
「あの子は…メイドさんかな?あの子もすごく美人…」
「俺あの子にナンパしてこようかな…」
「やめとけ、絶対釣り合ってないぞ…」
案の定注目されている。
最強ともいわれている戦闘者に美人な顔、そしてメイド服というアイデンティティ(?)があればそれは注目を集めるというものだろう。
ああ~精神的に死にそう~(泣)
やめて!遥のライフはもうゼロよ!
そんなことを思いながら僕たちは近くのショッピングモールへと足を運ぶのだった。
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