社畜、迎えられる

 大蜘蛛を倒したことにより、外へと繋がる扉が出現した。俺は扉へ歩を進めると、眩い光に包まれる。


 やがて白く染まった視界が晴れ、鮮明になっていく。目の前には霧世さんと栗宮さん、そして更紗と……ウィステリアの店員さんが迎えてくれた。


 皆は俺を認識すると一斉に駆け寄ってくる。


「高橋!やってくれたな!これでは私たちの仕事が増えてしまうでないか!」


 喜びながら俺に憎まれ口を叩く霧世さん。


「凄いです凄いです!まさか進化してすぐに冥層を攻略するなんて!」


 凄い褒めてくれる栗宮さん。


「あぁ心配だった…ゆーくんが死なないか本当に心配だった。でも生きて帰ってきてくれたからそんなものはどうでもいい!」


 少し重い感情が滲み出ている新紗。


 そして何故かこの場にいるウィステリアの店員さん。


「助けていただきありがとうございました!二条聖にじょうひじり、この御恩は一生忘れません!」


 ……どうやら、またもや九条ギルドの子会社である『二条ギルド』の代表らしい。まさか代表直々に店員をしているなんて、なんと素晴らしいことだろうと思ったが……


 マズイな……意識が朦朧としてきた。結構九割状態でぶっ通し戦ってたし、疲労が溜まって身体が休息を求めているみたいだ。

 ここで倒れたらなんか皆がやばいって焦るよな……


 俺は四人に向かい合って、これだけ言って意識は闇に沈んだ。


『あとはよろしくお願いします』


 ドサッと地面に倒れた優希を何故か心配することなく更紗は優希の事をお姫様抱っこし、「ゆーくんは任せて」と言って、この場からいち早く去った。


 その場に残された三人は顔を見合わせ、同時に呟いた。


『これから忙しくなりそう「だ」「ですね」「です」』




 荷物持ちお兄さん~蠱毒ダンジョン編 終~





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 えちょまです

 これにて第1章とも言える蠱毒ダンジョン編は完結です!ここまでの応援ありがとうございました!第2章の城崖ダンジョン編もお楽しみに!

 それじゃ


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