生きていればそれでいい。

下書かない。

金は無い。夢もない。不思議っ子を拾う勇気は有る。

 友人とパチンコに行って、1人でスロットを打って、サークルに呆けて、友達と遊んで、バイトもせずに仕送りだけで生活して、自分で言うのもアレだが結構なクズだ。彼女は顔も良くないし性格もそんなに良くないのでもちろん居るはずがない。だけどそこに対して執着は全くない。高校の時に捨てるものは捨てることが出来たから心の余裕があるんだと自分に言い聞かせている。

 趣味は悪い意味で多趣味で誇れるものは何も無い。

 それに鬱病らしい。自覚は無い。それは甘えでしかないと他人が鬱病だという記事を見る度に思っていた自分がそれに甘えていいはずがない。

 正直こんなやつは生きてても無意味だと思う。

 さて、今日も今日とて、終日までスロットにあけくれた挙句お金が無くなって、帰っている。

「なんで、高設定でこんなに負けんだよ」

 飲み干したコーヒーの缶を蹴りながらゆっくりと家に向かって足を進める。

 人があまり通らない道を歩きたい気分だったので、今日は街頭の少ない細い道を通って帰ることにした。

「ひゃっ」

 缶を蹴り飛ばした方向から女の子の声みたいなのが聞こえた気がした。

 まぁ猫だろう。

 一応スマホのライトでその場所を照らした。

 ハズレだった。

 現実世界に居たのかと思うくらい綺麗な水色の光沢のある髪の少女がそこにはいた。

 アニメを見てる時は、こんな展開を求めていたはずだったが、いざ自分のターンとなるとこんなに逃げ出したくなるのか。

 だが、可愛い。エメラルドのような瞳、細めだが整った眉、華奢で守りたくなるような背格好。

 でも、缶を当てた後だぞ。何を話せばいいんだ。

 つい1分程だろうか、彼女の方を見つめながら静止してしまっていた。

 すると彼女の方から動き始めた。体育座りを辞めて、ゆっくりと腰を上げた彼女はそっと、俺の足元に近づいて俺の腹部を指で突いた。

「食べれる?」

「あんまり美味しくは無いかも知れない」

 反射的に反応してしまったがこれは関わってはいけない人種だ。一刻も早くこの場から離れなくては。

 様子見で1歩後ずさってみる。

「そうなんだ、」

 彼女は残念そうに俯く。

 なんだか分からないがここからは離れられそうだ。

 ゆっくり後ろに振り向こうとした瞬間、彼女はあろうことか俺に向かって、服をたくし上げてお腹を見せてきた。

「なら、食べ物を恵んで、、欲しい」

 なんだ、コイツは、俺にガリガリのお腹を見せて同情を誘おうとしているのか。俺がロリコンでなかった事を心から感謝して欲しいところだ。俺がロリコンだったら、今頃君は狼に襲われる仔羊になっていたところだ。

「同情して欲しいのか?」

「ちが、、う、これは、服従の儀式、、。貴方にこれから従う、から、食事を分けて欲しい、、、」

 どこの知識だよ。

「とりあえず、お腹を片付けようか、今日はとても寒い。風邪を引いてしまうかもしれない」

「私、人間の言う病気?は、、ならない」

 エスパータイプのようだ。俺はあくタイプなので、有利を取れている。フッ勝ったな。

「なら、お兄さんが興奮して触っちゃいそうになるから片付けた方がいい」

 手をいやらしく彼女に向かって動かして表現する。我ながらとてもキモい。

「好きなだけ触ると、、いい。その代わり、、食事を分けて欲しい、、」

 彼女は俺の腕を掴みお腹の方に引っ張った。

 とても、、良い。程いい温もりと、ガリガリながら少しだけ残る柔らかさ、それに加え

 じゃない。俺のセカンド童帝が危うく猛威を振るう所だった。

 俺はそっとたくし上げられていた服をしたにおろした。

「今から家に帰るから着いてこい。そしたら、飯、やるよ」

「わかった、」

 分かられちゃったし、俺も変なこと抜かしちゃったよ。

 まぁとりあえず、帰ることにした。

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生きていればそれでいい。 下書かない。 @shitagakanai

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