子供と猫との関係

@2321umoyukaku_2319

第1話

 最初、猫は子供に無関心だった。突然、家に現れた小さな生き物が、無害であることを知っていたのだろう。特に注目はしなかったのだ。

 だが、それはポーズだけだったように思える。新参者に対し超然とした態度を示すことで先住者である自らの威厳を保とうとしたのではないか。

 しばらくは、それが保たれていた。離乳食が始まると、変化が見られた。子供の周囲に姿を見せる頻度が増した。

 それは餌の確保が容易であるためだと思われた。

 子供が口の中の食べ物を出したり吹いたりして食べかすが床に落ちる。そのたびに拭き取るが、掃除しきれない食べかすが出てくる。それを猫はこっそり頂戴していた。床を舐めたりしているところを目撃するごとに注意しているが、子供の世話が忙しく、そちらだけで精一杯になっていた。まあ、害のないものならいいだろう、ということになった。

 やがて子供も猫に餌をやるようになった。自分の嫌いな食べ物が出ると、床に落とすのだ。それを猫が食べると大喜びだ。やめなさいと言ってもきかない。非常に困った。

 今、彼らは良い遊び相手として日夜交流している。子供が猫の世話をしたがるのはありがたいが、掃除などはちょっと雑な部分もあり、猫が若干迷惑そうな雰囲気を醸し出しているけれど、色々食べさせてくれるのでむげにはできないようだ。ま、いずれは上手になるだろう。

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