世紀末桃太郎〜桃狩りのワイルドババア編〜
ジャック(JTW)
第■■(検閲済み)話 桃狩りのワイルドババア
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昔々、ある所にファンキージジイとワイルドババアがおりました。
ジジイは山を丸裸にする勢いで芝刈に、ババアはこの世の全ての
*
「ヒヒッ。こんな世の中だ。
ババアは口裂け女のような狂気じみた笑みを浮かべて、近隣の果樹園から美味しそうな
ババアは皮をむかずに桃を頬張り、種をペッと床に吐き出しました。ワイルドババアの名に恥じない野性味溢れた姿です。
ワイルドババアは、桃の汁で汚れた手を洗いに、川へ向かいました。顔にベッタリ着いた
*
そんな時、川上から、ドンブラヤッサッサ、ドンブラドッコイショと派手な音を立ててクソデカ
「気が利いているじゃないか、ちょうど桃のおかわりが欲しかったんだ」
ワイルドババアは、ニヒルな笑みを浮かべると、ガトリングガンを装備しながら、流れてくる巨大な桃に向かって歩き出します。
その時、巨大な桃がひとりでにパッカーンと割れて、中から青年が姿を現します。
「やあやあそこを行くご婦人よ! 一体ここはどこなのかね!」
そういって姿を現した青年は、体にぴっちりフィットした未来感溢れるピンク色のスーツを装着しており、顔にはバイザーを付けています。この
返り血を浴びたワイルドババアもなかなかに刺激的な姿をしていますが、この青年の姿は時代感というか、世界観が異なるような
*
「──なんだァ? お前ェ……」
ワイルドババアがガトリングガンを構えると、青年は両手を挙げて敵意がないことを示します。
「私は西暦2112年9月3日からタイムトラベルしてきた者。名前はMOMOTARO-CLOVER-EXと申す! タイムマシンの故障によって、いつ何処の時代にやってきたのかわからない緊急事態なのだ! ご婦人! 突然やってきた私を警戒するのは当然のことだが、どうか武器を下ろしていただけないかね!」とMOMOTARO-CLOVER-EXは言いました。
「あ? モモ……クロ……なんだって? あたしゃ耳が遠いんだよ、長台詞をごちゃごちゃわめくんじゃないよ」
「ももクロとはなんとも可愛らしい略し方だな! ……世界線を越えて怒られそうな気がする名称だが。確かに私の
「ああうるさいうるさい、桃のおかわりが食えると思ったのに、よく見たらクソデカ桃、機械じゃないかい」
ワイルドババアはももクロの長い話とクソデカ桃が食べられなかったことにイライラしたように地団駄を踏み始めた。
「それよりあんた、あたしゃ腹が減ってんだ。食い物持ってんなら寄越しな」
ワイルドババアがガトリングガンの照準を向けて脅すと、ももクロは頷いて、
「見たこともないメシだねえ。毒なんか入っていないだろうね」
「とんでもない。『
「そうかい。じゃあ、一口食って、様子を見てみることにしようかね」
ワイルドババアは、ガトリングガンを脇に置くと、『吉備-DANGO』の包みを開けました。
――ワイルドババアは、放心して立ち尽くし、広い広い空を眺めていました。
「アタシ……いや、わしは間違っておった……人様をガトリングガンで
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ももクロ太郎と、その一番最初のお供、元ワイルドババアは、ファンキージジイ、クレイジードッグ、サイコパスモンキー、バッドアスバードを次々と
ももクロ太郎の旅は、どんな結末に至るのだろうか。
それは誰にも分からない。
ドンブラヤッサッサ、ドンブラドッコイショ。
これにておひらき。
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世紀末桃太郎〜桃狩りのワイルドババア編〜 ジャック(JTW) @JackTheWriter
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