第26話 真鍋さんからの告白にどう返事しよう
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。自分の優柔不断な性格を変えるため、副業でバーテンダーという新たな世界へ飛び込む。春花に告白したが保留にされている。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。星矢を誘惑してもて遊んだと思われ、距離を置かれている。
中野春花(はるか)…社会人一年目。ストーカー対策として星矢と恋人のフリをしていた。星矢の告白は一旦保留にしている。
春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。愛されキャラだがモテはしない。
内間君恵(きみえ)…星矢の上司。星矢に告白したがあっさり振られてしまった。
堤健司(けんじ)…星矢が副業で働くバーのマスター。オネェ。人生の先輩的存在。
町田孝之(たかゆき)…星矢のバーでの教育係。星矢の一個上。お客さんで来ていた内間君恵に恋をする。
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星矢の働く物流会社では休み時間にある話し合いがされていた。話し合いに参加しているのは春花、博、内間さん。その話し合いの内容はバーテンダーが内間さんに興味を持って飲みに誘ってきたことについての相談だった。
「で、結局どうするべきだと思う?私、全然恋愛経験ないから分かんないのよ〜」
「内間さんって意外とピュアなんですね。私はむしろ、その誘ってきた相手がわからないので何とも言えないです。後、真鍋さんが副業でバーテンダーやってたことに驚きでした」
「それな?いつ始めたんだあいつ。俺にも言わなかったぞ。で、内間さんはその飲み行きたいんですか?」
「それも分かんないのよ。せっかく好意持ってくれた相手に対して断わるのも気が引けるじゃん?でも正直連絡先交換を真鍋くん経由で頼まれた時、名前聞いてもぱっと顔出てこないくらいには印象になくて、、」
「うーん。こういう話に詳しそうな人、うちの部署にいましたよね」
三人は一斉に愛未の方を見た。
「何か用事ですか?」
内間さんは愛未に今回の事を詳細に話した。
「ってわけなのよ。で、どうするべきなんだろう?多田さんならどうする?」
「うーん。私は行きますね!」
三人が分かってましたと言わんばかりに頷く。
「それは言葉選ばずに言うと誰でもいいから?」
「そういうわけではないです。でも人から好かれるのって嬉しいじゃないですか〜。次、いつ自分に興味持ってくれる人が現れるかなんて分からないんですよ?断わるのはもったいなくないですか?」
「そうなんだけどさ、相手が顔思い出せないくらい覚えてない人でも?」
「はい!行きます。だって今は全然興味なくても話してるうちに好きになるかもしれないし!出会いを無駄にはしないです」
「なるほどね。私、全然経験なくて分かんないんだけどさ、多田さんは今まで興味なかった人と話してって興味持った事はある?」
「ありますよ。それに全く興味ない人に告白されて付き合った事もあります」
「え!それってさ、上手くいったの?」
「いいえ。すぐ別れちゃいました。でもその経験によってそういう人とは上手くいかないんだっていう気付きが得れたんですよ!だから経験として無駄ではなかったと思いますよ?」
三人は愛未の言う事に妙に納得させられた。
「結局、恋愛とか結婚って経験の差だと思うんですよね。経験が浅いなら経験積むために試しに付き合ったりするのもアリだと思うんですよ!」
「な、なるほどね。さすが恋愛強者は違うね」
「私なんて全然ですよ〜。全然モテないんですから!」
三人は即座に頭の中で否定した。さらに今の言葉に周りの空気がピリついた感じがした。
「だから!行ってみるべきです。経験積むためにも。内間さん、ファイトです!」
愛未のあざとさは天性のものだ。あの硬い内間さんまでその気にさせてしまった。結局、内間さんは孝之の誘いにオッケーした。
博と内間さんが立ち去ると春花は一人で考え事をしていた。興味なくても付き合ってみるのはアリだと言っていた愛未の言葉を思い出しながら。
………私、真鍋さんからの告白にどう返事しよう………
春花も真剣に考えていた。
一方、星矢はようやく副業のバーテンダーが慣れてきてお客さんともたくさん話ができるようになってきた。星矢は色んなお客さんと関わるうちに自分が今まで見ていた世界がいかに狭かったのか思い知らされた。バーには様々な客が来る。
夜職の人、大手企業のエリート、フリーター、主婦、大学生など。
多種多様な人たちと関わる事は星矢の人生に刺激をもたらした。
そして春花とのデートを前日に控えた日。バーに星矢の男心を刺激する女性が現れる。
その名は『今西絢音(あやね)』。彼女は男の欲望を全て詰めたかのような女性だった。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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