第18話 え、振られるの俺。

【登場人物紹介】

ここまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。




真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。優柔不断。愛未と春花のどっちが好きなのか分からず悩んでいたが、健司にアドバイスを貰い、まずは愛未にアプローチすることにした。前回の話で愛未の家に泊まることになり、そのまま告白した。



多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。一応彼氏と別れるまで待つように星矢に頼んだ事があるが真意は謎。



中野春花(はるか)…社会人一年目。星矢とはストーカー対策として恋人のフリをしていたが最近はストーカー被害に合わなくなり、その関係も解消された。



春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。周りから好かれているが愛されキャラ的存在で恋愛関係は疎い。



内間君恵(きみえ)…星矢の上司。飴と鞭が激しく、星矢に厳しい時は厳しい。大阪出張で星矢にいきなり告白するが、すぐに振られてしまった。現在は今まで通り星矢と接している。



堤健司(けんじ)…バーのマスター。オネェ。人生経験が豊富故に星矢にアドバイスをくれる。



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「好きです!付き合ってください!」


愛未は間を置いた。考えている。少し時間を空け、口を開いた。手は繋いだままで。


「確かにあの時、受け入れてくれるって言ったのは嬉しかったです。星矢さんといるととても安心します。でも私、今まで付き合った人全員と上手く行かなくて。まあそれは私が原因の所もあったんですけど皆から好かれたいって気持ちは消せなくて。だからこそ、今は一旦恋愛をストップしたくて。彼女作らないで待っててくれる?ってお願いしたのは正直よく覚えてないんですけど。もしそういう軽はずみな発言していたのなら本当に申し訳なかったです」


………え、振られるの俺。手繋ぎながら告白して振られるの?添い寝したよね?異性として見てないわけじゃないって言ったよね?星矢さんが彼氏なら良かったのにって言ったよね?なのに振られるの?………


「みんなから好かれたい、必要とされたいって欲求は消せません。それが行き過ぎて思わせぶりみたいになっちゃって星矢さんを困惑させたのは謝ります。ごめんなさい」


言葉が出なかった。告白を躊躇ったとはいえ、家に泊まる事になった時点で振られるとは思ってなかったからだ。


………というか、振るなら今、繋いでるこの手も離してください、、………



「でも嬉しかったです。ありがとうございます!こうやって手を繋いでいるのも人のぬくもりが感じられてとても嬉しいです。私、気まずくなるの嫌なんでこの話はこれで終わりにしましょ!」


そう言われ、勝手に話が終わった。訳が分からず、ボーッとしたまま勝手に終わったのだ。


「星矢さん、お風呂入ります?もう湧いてますよ」


「ああ。じゃあ入らせてもらおうかな。」


星矢はお風呂に逃げた。一旦整理したい!一旦一人で考えさせてくれ!


星矢は湯船で一人頭を悩ませた。


………俺、もて遊ばれた?………


公園のベンチで話した時は愛未に同情した。すぐに安心させたいと思ってハグもしてあげた。彼女作らないで待ってるように言われたから彼女作らず待ってた。信じていた。なのに振られた。意味が分からなかった。

しかし、もっと意味が分からないことがこの後、起きる。


風呂のドアが開いたのだ。


………え、まさか入ってくるの?………


そのまさかだった。愛未はタオルで一応身体は隠して入ってきた。


「ごめんなさい!私、本当に眠くて。でもシャワー浴びないと寝れないんです。だからシャワーだけ使いますね。邪魔してごめんなさい!」


………これは狙ってる?それとも本当にシャワー早く浴びたかっただけ?………


この際、そんなことはどうでも良かった。いや、考えてもどうせ愛未の本心は分からないだろう。星矢の中でその域にたどり着いた。


「見ないでくださいね?付き合ってるわけじゃないんですから!」


いつものように茶化す感じで愛未は言う。勝手に後から入ってきて見るなは自分勝手だと思うがこれが愛未なりの気まずくならない気遣いなのだろうか。それともいつものあざとさなのだろうか。


………わからない。これ以上悩ませないでくれ!………


星矢は絶対に愛未の裸を見ないように目を反らしながらお風呂場を出た。

洗面所で身体を拭いていると愛未のシャワーの音が聞こえる。ここで愛未の身体を想像してしまうのはやはり星矢も男である。 


しかし、自分の頭を整理するためにすぐに洗面所を後にした。













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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!感想や主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。

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