お隣さんに「依存していいですか?」と言われた高校生のお話
@Kiu_writer
第1話 雨
寒い冬が終わりそうでなかなか終わらない。
なんなら杉やヒノキが日に日に活発に活動し始めて僕はずっと「秋にならないか」と願っていた。
鼻はむずむずするし肌寒いしで嫌気がさす3月入りたて、僕はいつも通り学校に行き小難しいおべんきょーを必死にノートにまとめながら「放課後何しようかな…」と考えていた。
ずっと溜め込んでいるゲームを消化しようか…ネットサーフィンで時間を潰すか…本屋によって新作のラノベでも買ってみようか。
大学の受験というものをすっかり忘れて一日を謳歌する。
「まだ高2だしな…」
それが通用するのはあと2~3月カ月くらいだというのにも関わらず先のことなど全く考えずにいた。
きーんこーんかーんんこーん
重く古いせいか鈍いような音のチャイムが鳴り7限の終わりを伝える…そして授業の先生と入れ替わるように担任の先生が教室に入り帰りのHRを行う。
「明日から期末考査5日前だからこの後も有意義に使えるよ~」
心を貫くようなありがたい言葉を右から左へと流し通し、放課後になった。
7限だから掃除などなく、今日も部活をさぼり駐輪場へ向かった。
…というかテスト期間は部活などない。だからさぼってはない。
まぁ…最後に部室に行ったのはいつかと聞かれてもそんなすぐには答えられないが…
「てか数2やばくね?!」
「それな?!?けど公共も…」
みたいな声が周りからはびこる駐輪場と最低でも2人以上は組み合わせを作る生徒たち。
それなそれな…とか思いながら悲しく一人イヤホンをつけてチャリを漕いでいく。
推しのかっこよく心に強く響き渡るような声を脳に響き渡らせて帰る午後16時
家から高校まではチャリで30分くらいだ。
まぁ家に帰っても誰もいないから近くの本屋で時間を潰して家に帰るの22時なんてこともざらにある。
今日は金欠だし7限の疲れか早く家に帰りたくなったからそのまま直帰する。
…すると不幸に坂を上っている最中に雨が降ってきた。
朝のお天気予報では傘マークなんてなかったため何も予防策など用意していない。
「ばっかやろぉ…」
そう呟きながら坂道を急いで登り爆速で帰路についた。
家のマンションの駐輪場にチャリを停めエントランスに着くころには制服もろともびしょぬれで髪もシャワーを浴びたかのようだった。
「風邪ひいたな…これは」
体はめっちゃ弱いというのは感じていたため今回の雨で明日の学校はお休みかなと半ば諦めていた。
エレベーターの扉が開き11のボタンを押す。
いつもは耐えれそうなこの浮遊感も今の体には気持ち悪く作用する。
やっとのこさでエレベーターの扉は開き自分の家の扉の前についたところで体に力が入らなくなった。
「うそ…だろ?」
意識はある。
だが足の力が抜け立ち上がれない状態になっていた。
しかも誰かに助けを求めようとしてもここはエレベーターから死角
となっていてだれも気付いてくれない。
しかもだんだん頭がぼーっとしてきた。
冷たい手でおでこに触れるととてもあったかい…異様なほどに。
「熱…マジかよ…」
なんだかなぁ…そう思っていると
「大丈夫ですか?」
雨の音でかき消されそうなほどか弱い声…でもそれは透き通っていてとてもきれいな声だった。
重い頭を頑張って持ち上げてみてみると同い年かちょっと下くらいの少女がいた。
違う学校なのかあまり見かけることはなく、見たことはあるがあまり話したこともないお隣さんだった。
あいにく人の名前を覚えることが苦手な僕はそのお隣さんの名前を思い出せずにいた。
「え、あぁ…大丈夫じゃ…ないですね…」
頑張って作って笑顔を浮かべながら言葉を取り繕うが正直限界が過ぎる。
「大丈夫じゃないですよね…鍵貸してください…とりあえz…」
そんなことを話してたような気がしたが意識が強制シャットダウンされなにも聞こえなくなった。
…
……
………
「んっ…」
目が覚めるとともに今自分がいる場所が家の扉の前ではなく布団にいることが分かった。
起きようと思っても先ほどの熱のせいか思うように体が動かない。
とりあえず見渡すと布団の横にクッションを敷いてこちらを看病しているお隣さんと目が合った。
「あっ…目が覚めた…」
彼女は生き物を見るかのごとくこちらを見ていた。そんな彼女の眼は冷静ながらも少し活き活きとしているように見えた。
__________________________________
深夜テンションの成り行きで描き始めたので拙い文章ですみません。
続きはいつ出すかは不定期ですがよければ楽しみに待っていてくださるとすぐに出る…気がします。
タイトルの言葉が出るのは…多分第2話だと思います…きっと
お隣さんに「依存していいですか?」と言われた高校生のお話 @Kiu_writer
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。お隣さんに「依存していいですか?」と言われた高校生のお話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます