魔王の片鱗

アヨータヤー王宮 ナレスワン


「御使者殿、援軍の件、了承した

募兵もあるため、1週間後にアヨータヤー城外でお待ち申し上げる

その時までには人質や人夫も用意いたしましょう」


「国王陛下、物分かりがよくて話が早いですな

では、1週間後」


使者は満足そうに帰って行った


ノブナガ殿から頼まれたのは、援軍を出す準備で時間を引き延ばしている間に馬や戦象を大きな音に慣らしておくことと、この近辺の地形や気候を知りたい、あとはこの国の密偵とタウングーの民の衣服、通貨を借りれるだけ借りたいと


戦場になりそうな場所の把握かと思ったが、どうやらそれだけではないようだ


イープンの数名の従者草の者とこの国の密偵とを組ませてタウングーの首都ペグーに向かって走らせていった…


そんな中、ワン殿やヒデカズ殿らにより、商会のナオからカルバリン砲なる大砲が何台か台車に乗せられアヨータヤーに運び込まれていた


当のノブナガ殿はヤスケ殿、タケ殿を連れて馬でアヨータヤー近郊を見て回っておる


我らもアヨータヤーの兵を至急集め鍛えねば…

援軍に出向くという体で一週間切り抜けねばならぬ

敵を騙すにはまずは味方から、というからな


約束の期限前日


戻ってきたノブナガ殿から声をかけられた

「ナレスワン殿、仕込みは終わったわ

この戦、勝ち目はあるぞ あとはナレスワン殿次第じゃ」


鉄砲や砲撃を用いるであろうことは想像がつくが…どうやって勝とうというのだろうか

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