事件の始まり

(シエル視点)


馬車に隠れて外の様子を見る。お父さんに馬車に隠れるように言われた時にうすうすこうなる事は分かっていた。


「やっぱり盗賊だぁ、、」


盗賊さんの登場だ

まるでかくれんぼで鬼に見つかった子供のようお父さんの声に反応して次々と茂みの奥から盗賊が現れる、数は良く確認できなかったが8人ぐらいだったと思う、盗賊は茂みから出るなりお父さんを取り囲んだ、囲むと言ってもお父さんの背には私が乗ってる馬車があったので厳密にいえば、私たちを通さないように進路を塞いでいたと言う方が正しいかもしれない


「盗賊の人達ってなんでいつも群れ成して、襲い掛かって来るのかなぁ、、、」


私はふと疑問に思った、盗賊に襲われる事は実は今回が初めてじゃなかった4回はもう経験している

私の住む世界では【窃盗、人殺し、人身売買】などありとあらゆる悪行が蔓延っている、今の騎士団長が就任してから少しは犯罪も収まったみたいだけど、騎士団の人材も不足していて、まだまだ犯罪は減らない、フリューゲル周辺は比較的に治安もいいけど、やっぱり盗賊は後を絶えないのが現実だった。

盗賊の人とお父さんが何かを話していたが良く聞き取れなかった、何か言い争っているような雰囲気だった、お父さんがまた盗賊を怒らせてるのだろう、お父さんの悪い癖だ、お父さんは盗賊が嫌いで仕事の邪魔をされると途端に機嫌が悪くなる、もちろん私も盗賊や悪い事してる人が大嫌いだ特に人殺しは許せない、、

私は少しママとの記憶を思い出したが思い出に蓋をするのだった。


普通の子供なら自分の父親が盗賊に喧嘩を売ってたりしたら、不安になったり驚愕すると思うが私はちっとも不安にはならなかった

なぜなら

私のお父さんはものすごく強いから

盗賊とお父さんの戦闘が始また

お父さんは襲い掛かって来る盗賊を1人、2人、3人、、と次々と盗賊を倒していった、華麗な身のこなしに的確な攻撃、素人目から見ても戦力の差は明らかだった正直に言うと


「お父さん、、かっこいい、、」


私にはお父さんが悪者を倒す正義のヒーローのように見えていたんだと思う、お父さんは8人もいた盗賊を倒し追い返した、戦闘が始まってからあっという間の出来事だった。


おとうさんやっぱり強いなぁ、、、

私を目を輝かせてながら戦闘をすべて見ていた、戦闘に興奮して馬車に隠れるのを忘れ身を乗り出していた、外から見れば一目瞭然、馬車に目を向ければすぐに気づかれるレベルだった、その軽率な行動が悲劇を生む

嫌な気配を感じた、それは禍々しい視線だった、寒気を感じた

私はその視線のする方に目をやるとそこには一人の人物がいた

それは逃げて去る盗賊団のリーダーだった、

私の事を凝視していた、その目線は優しいもではなくむしろ逆で何か良くない事を企んでいそうな目だった私はそれに驚き馬車に再び身を隠した、


再び身を隠した所で盗賊に見られた事は変わらない真実だ、

当時の私はそれほど気にはしてなかったが盗賊に私の姿を見られた事により私はある事件の被害者になるのだった、、、、











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