第8話 浮気の始まり

【山神あきらの視点】

あきらはバレンタインにあげるチョコレートを作り終え、満足していた。しかし、ナツミからの返信が遅いことを疑問に思い、SNSをチェックしてしまった。すると彼氏とのデート行きたくないと書かれているのを目にしてしまった。

あきらは気を失い、言葉が出なかった。すぐにそれをスクショしてカノンに送った。

カノンは慰めてくれた。しかし、あきらの心は落ち着かなかった。

どういう意図で書いたのか知りたいがそれを本人に聞くとSNS監視してる事がバレるというジレンマを抱えていた。


翌朝。ナツミからラインがきていた。

「本当にごめん。体調崩しちゃって行けなくなっちゃった、、

別の日また会おう!後で空いてる日教えるね!」

昨日のSNSの書き込みを見ていたから体調不良が嘘だということはすぐに分かった。


(何なんだよ。何だよ、デート行きたくないって。この前好きって言ってくれたじゃん。この前キスしたじゃん。何で、、 別れたくないよ。でも向こうが会いたくないと思ってる状態では会えないよ。本当に何考えているんだよ。マジでわからない。

だったらいっそのこと、行きたくないから今日行かないって言ってよ、、 嘘で優しくされるのなんて辛いよ…)

そんなことを考えながら出来上がったチョコを見ていた。


そしてカノンに電話した。

「カノン、今日会える?」

「ごめんなさい、今日はバイトが」

そう言った後、カノンは昨日、あきらが凄く落ち込んでいたこと、そして今日の電話でのテンションがいつもより尋常じゃないくらい低いことを察した。

「いや、バイト代理探します!だから会えます!」

「ありがとう!場所はこの前のカフェでいいかな?」

「いいですよ!また連絡しますね!」


そう言ってあきらとカノンはカフェで待ち合わせした。今日はカウンター席だった。

「ごめんなさい、あんまこういうこと言いたくないんですが別れるべきだと思います。彼女さんの気持ち分からないまま過ごすのも辛いだろうし向こうが会いたくないと思ってしまってるのもきっとそういうすれ違いが原因だと思うので」


「でもさ、向こうはめっちゃ優しい文面なわけじゃん。SNS見てないと本心知れてないわけじゃん?てことはさ、ここで別れると逆に何で急にって思われちゃうんじゃないかな。で、急に別れ告げられたらまたトラウマになっちゃうと思うんだよね。向こうに恋愛関連でまたトラウマ植え付けたくもないんだよね」


「うーん。難しいですよね。でもちゃんと話し合って綺麗に別れるのが正解な気がしますよ。これは別れてほしいからじゃないですよ?あくまで1意見です」


「わかってるよ。でもどうしてカノンはそこまでしてくれるの?」


「そりゃー好きな人の力になりたいじゃないですか!正直私も全部正しいこと言える自信はありません。でも少しでもあきらさんの力になりたいんです」


あきらはその言葉を聞き、いつの間にかカノンにキスをしていた。

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