第2話 恋に落ちるのは突然
出会いに事欠かなかったと言っても、私が恋の狩人のごとく合コンに励んでた、とか、そういうことではない。
イベント好きで、職場関係で若手職員向けに開催される飲み会やキャンプやレクリエーション大会に誘われホイホイ参加していたから、気が付けば参加する側でなく、企画側になっていた。
職場の先輩に「役員やらない?」と誘われて打ち合わせに行ったら、あの人もいた。
私と同じくらいの頻度でイベント参加してたから、まあ、似たような経緯で誘われたんだろう。
で、それはそれで楽しかった。
今までは近郊のイベントに参加してたけど、その範囲が広がって、別の地区の役員と一緒に活動することも増えた。
そして、出会ってしまった、彼に。
5歳上の彼は、当時隣の地区でリーダーをやってて、元気だけどチャラくない、爽やかな男性だった。
イケメンかと言われると、まあ、微妙なラインなんだけど、何て言うか、フィーリングが合って、話していて楽しかった……これは、きっと後付け。
初めて会った時、参加したキャンプで私の作ったカレーを「美味しい」とおかわりされて、「いいなぁ、こういう女の子、お嫁さんに欲しい」と言われ、……多分、その時、恋に落ちてた。
鈍感な私は、その時には気付いていなかったと思うけど。
地区合同でスポーツイベントやるから、一緒に幹事をやって欲しいと誘われて、打ち合わせのために会う頻度が増えて。
そこには、例のあの人も参加していたけど、あんまり気にしてなかった。
彼ばっかり、見てた気がする、今思うと。
無事イベントが終わって、打ち上げをして。
「また、いつか、何かのイベントで一緒に活動できたらいいね」
彼の言葉は、多分、お決まりの挨拶なんだろうけど。
『また』『いつか』
もう、しばらくは、彼に会えない……。
その時、自覚した。
彼が、好きだな、と。
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