おまけ

俳句→転 575


霜柱 転じて崩れ 氷花


しもばしら てんじてくずれ こおりばな


短歌→一杯 57577


雪見酒 徳利浮かべ 童歌 魂若く 一杯の月


ゆきみざけ とっくりうかべ わらべうた たましいわかく いっぱいのつき


詩→肌



黒き城に、赤いドレスは舞い。

空には、トランプと花びらが踊る。



黒い炎をその身にまとう、男は微笑み。



二人は、手を重ね。城のダンスホールで、ひたすら回り。



兎は笛を吹き、悲鳴をうち消した。


男がドレスの女を引き寄せて 女が踊りながら離れゆく



肌が触れる度、無言で言葉を動作で交わし。




女が微笑む度、星空に虹と夢が。


男が嗤う度、破滅と慟哭が。



二人は黒い城の中央で、観客達の手を取って口づけを。


観客達に、それは見えず、聞こえず、感じる事も出来はしない。



二人はそれを一通り、また踊りながら中央へ。



男女がまた手を重ね、慇懃無礼に礼をして。



狂気に咲く花もあれ、嘘に煮える夜会は今開かれた。




童が一人現れて、男女にそっと近づいた。


それぞれ、同じ童にキスをして。優しく、頭を撫で。



君はまだ早い、だから朝までにお帰りと。



再び、腕を絡めて妖艶に。



黒い羽は疫病を、白い花は希望をのせて。


二人の男女が触れた所に、それは成る。



指先よりも、首筋と肌に広く触れる度。



其処で流れる、曲と共にただ広がって。



二人は仲睦まじく、肌を重ね今日も奏でる。



<おまけなので説明はありません>

<おしまい>

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星詠み めいき~ @meikjy

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説