パラレルワールド

夜猫子

 

もしも君がいなかったらって

僕は時々

考えてしまうんだ


例えば君がいなくて

この道を歩くのも

この橋を渡るのも

この海を泳ぐのも

この空を仰ぐのも

ぜんぶ僕だけだったらって


うん

たぶんだけど

これだけは確信を持って言えるよ


きっとね

それはそれで

それなりに楽しんだと思う




もしも君がここにいたらって

僕は時々

考えているんだ


例えば君がここにいて

この道を走るのも

この橋を越えるのも

この海を潜るのも

この空を翔るのも

ぜんぶ君と一緒ならって


うん

たぶんだけど

これだけは確信を持って言えるよ


きっとね

それはそれで

それなりに楽しんだと思う




僕はなんだって

それなりに楽しむ天才なんだ


だから僕は

君がいてもいなくても

きっと楽しめる




寂しいことを


言ってるのかな


僕にはわかんないんだ



だってそれは

僕には想像することしかできないから

君の存在が

変わらないことの証だから




だから僕は

目蓋を閉じて

もしもを想像して


瞼を開けて

君を見つけられるんだ




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パラレルワールド 夜猫子 @yoruninetai

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