第2話 転生先

俺が転生して5年と言う月日が経った。

さて、まずは俺がこの5年で知ったことや出来事を話そう。

まずは俺のこと。

俺は今世で皇鷲スメラギシュウと言う名前をもらった。

そして俺の家族だが俺の産まれた皇家はこの日本の二大巨頭の片柱、皇財閥であった。財界、政界などに大きな影響力を持つエグい家だ。

そして俺の父である皇廻都スメラギカイトは皇財閥の代表取締役。要は社長だ。

ちなみに会社って社長でも会長でも呼び名は関係なく代表取締役が一番偉いらしい。

そして俺の母、皇穂花スメラギホノカは父の秘書をしている。ちなみにスケジュール管理や予算会計とかでもキッカリしていてミスを見つけたら即やり直しを喰らう。少しのミスも許さないキャリアウーマンだ。皇財閥内でも裏のボスとして恐れられている。

それとこれを俺に教えてくれた会社の偉い人たちは後でたっぷり母の粛清を喰らったらしい。


次に俺の交友関係である。


「おーい、シュウー」

「シュウ君待ってー」


俺は今保育園の園庭で二人の園児と遊んでいる。

といっても俺も園児だから同い年なんだけど。


「シュウ、どっちがブランコで高くこげるか勝負しようぜ」

「いいぜ」


そう言ってきたのは橋隆拓海ハシタカタクミ

活発な性格にどこから湧くかわからない人を惹きつける魅力、そして整った顔を持つ将来イケメンになる男の子。

え?どうしてイケメンになることがわかるかって?

それは後程説明しよう。


「二人とも怪我しないように気を付けて」


物静かな消えそうな声でそう言うのは周りとは明らかに違う容姿を持つ美少女、

如月実夢キサラギミユ

如月財閥のご令嬢で少し青みがかった銀髪にガーネットのような深紅の瞳を持つ。


「分かってるよミユ!」

「シュウはいつもそう言って怪我するけどな」

「へっ、言ったろ」

「け、ケンカしないで」


消えそうな声で頑張った声を出すミユ、なんて可愛いんだ!!


さてこれが最後のお知らせなんですがこれが俺の一番のビックリ、なんとこの世界ラノベ世界なんだよねーー!

いやーマジで最初は驚いたケド流石に5年も経つとこの世界に馴染んでしまう。

そして勘がいいやつはなんとなく察していると思うが、そう!この橋隆拓海はこのラノベの主人公です!

そしてこの美しい銀髪美少女こと如月実夢はヒロインです!

と、言ってもミユはメインヒロインじゃなくてよくある負けヒロインの定番の幼馴染枠。

しかもヤンデレ属性を兼ね備えた真の恋愛クリアが出来ないヒロインなんです!!



ここからはこの世界の解説なんだけど、この世界の元となったラノベの名前は『メインヒロインに勝てる訳ない』と言う名前のラノベなんだけど、このラノベめちゃくちゃ好きなんだよね。完結済みのラノベなんだけど、結局最後に主人公、拓海がくっつくのは高校で出逢うメインヒロインなんだけどそれ以外にも沢山のヒロインが登場してきた他のヒロインも魅力が沢山あった良いラノベなんだよ。


と、まぁそんな俺の大好きなラノベで俺の一推しがこのミユちゃん。

容姿端麗で人見知りだけどヤンデレ化したら堂々とするその変化や一途なラブに俺は惹かれた。

でもミユのシナリオだけ全てバットエンドなんだ。

このラノベ最後に各ヒロイン分岐で一巻ずつ出されたんだけど他のヒロインはメインヒロインと共に主人公と結ばれるのにミユのシナリオだけミユが死んだり最後は一人孤独に死ぬって言うバットエンドしかないんだ。流石にこれには俺は激怒した。

だがそんな過去の話はもういい。

何せ俺は今そのラノベの世界に転生したのだから!

それなら俺がやることは一つだ。

俺がミユをタクミとくっつけるキューピッドになる!!


いまこう思っただろ。お前がミユと結ばれるんじゃねぇの!?って。ち、ち、ち、分かってないな。

推しの幸せを願うのがファンの在り方だろ!と俺は思っている。

そしてミユは大好きなタクミとくっつけばそれはミユの最高の幸せだろ!

ってことで俺はタクミがメインヒロインとくっつく高一のクリスマスまでにミユとタクミをくっつけてみせる!


あ、そうだ。俺の立場とかを説明し忘れてたな。

俺は立場的にはタクミの親友で恋愛のサポートキャラである。

ちなみに容姿は黒髪のカッコいい系男子。



「ふ、二人とも〜、先生呼んだらから早く戻ろ」

「わかった」

「すぐ行くね」




*みなさんはどんなヒロインが好きですか?

やっぱり俺は幼馴染とヤンデレ属性が一番ですね!

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