(いみエモ話)ネットでもうわさ!アレのときいちいちアレする人は、最高のスパイ!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 今、ネットでうわさのタイムトラベラーが、いるんだが。未来から、過去にきたらしいんだが。笑えるピンチに、はまっているらしいんだが。

  (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

     ☆

 「おい、見たか?」

 ざわつきはじめる、ネット民たち。

 「何を?」

 「タイムトラベラーの書き込みが、残されているらしいぞ」

 タイムトラベラーの性別などは、わからない。

 未来の日本から、過去の日本、つまり「今の時代」にやってきたやつだということは、わかっている。

 「私は、最高のスパイだ」

 そう書き込まれていて、こうも続く。

 「この時代に生きる若い世代は、すばらしすぎる。ゆ×りっていわれるやつらも、やるじゃないか」

 おお!

 この書き方は、驚き。

 普段はきらわれ続きの世代が、ほめられているじゃないか!

 「若い世代は、しっかりとして、礼儀正しい。身の回りの物を、敬いつつ、 1つ 1つ、記録に残している。必ず、写真に残して、外部に伝えようとしているんだ。彼らは、最高のスパイのようだ」

 未来からの使者であるそのタイムトラベラーは、レベルの高いスパイ。

 日本を、過去からのっとろうとやってきていた。

 若い世代は、そいつを超えるスパイだというのか?

 「彼らのスパイ活動は、食事どきのような休憩のときも続くんだ。写真に撮ったデータは、スパイの本部に送られるのか?恐ろしい…。こんな時代は、いやだ」

 その書き込みを最後に、タイムトラベラーは消えた。

 「おい、見ろよ?」

 「何だ?」

  「ネットのカキコが、消えたぜ!」

 「やつは、未来に帰ったのか?」

 「残念だ」

 「日本の未来を、知りたかったのに」

 しかし、なげくばかりでもいけない。

 これで、未来人によって、今の日本が悪い攻撃を受けることがなくなったからだ!

  「良くやった!若い世代!」

 「役に立つことも、あるじゃないか!」

  「ゆ×りパワーなのか?」

 若い世代が、ほめられまくり。

 が…。

 ほめられて伸びるタイプだったはずの若い世代は、なぜか、複雑な思い。

 「素直に、喜べないよな」

 「私も」

 「俺も」


  (この話の意味)

 タイムトラベラーの見た、いちいち写真を撮ってデータを送る、スパイ行動とは?

 「物食う前に、スマホで、食う物を写真で撮ること」

 それです。

 「それを、ネットに上げること」

 それです。

 「お前がこれから何食おうが、興味ないのに」

 いろいろと、バカにされる世代。

 けれどね?

 そういう世代のおかげで、今の時代は、未来人から守られたんだぞ?

 「過去の日本から、ただいま!」

 「どうだった?」

 「過去の日本、マジ、うける」

 「何が?」

 「何か食うとき、食う物を写真に撮ったりしていた」

 「ああ。それ、うちのひいじいさんが、スマホでやっていた気がする」

 「…アホくさ。もう、過去をのっとりにいく気はなくなったよ」

 「何で、いちいち、写真に撮っていたんだい?」

 「さあ?」

 理由は、知らないほうが良いよ。

 「いいねをもらいたかったから」

 だろうね。

 こうして、現代の日本は、未来の日本から侵略されなくなったのである!

 ゆ×りパワーだ!

 エモいなあ。


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