第11話:治癒天使バレッタ・エンドロール。

僕は通学時、事故に見舞われた。

赤信号で突進してきた大型トラックが僕が乗っていたバスに追突して僕は瀕死の

重傷を負った。


その後、病院に運ばれて気がついからICUのベッドの上にいた。

リボンちゃんとおふくろが病院にかけつけてくれて、リボンちゃんは僕の酷い

有様を見て泣いた。


僕はしゃべれなかったけど、心を読めるリボンちゃんが僕が思ったことを

拾ってくれた。


僕はこのまま回復に向かうもんだって思ってたんだけど、その夜遅く僕の

容体は悪化した。

お医者さんと看護師さんの努力虚しく僕の心臓は止まったみたいだった。


僕は生死を彷徨ったみたいだけど・・・目が覚めると僕のベッドの横に

リボンちゃんと知らない女の子がいた。


再び蘇生して目覚めたと同時に、僕は自分が怪我人だって意識がなかった。

そのくらい爽やかだったからだ。


「目が覚めた、圭ちゃん」


「あ、リボンちゃん・・・おはよう」


(おう・・・しゃべれる・・・)


「圭介ちゃん・・・回復したみたいでよかったですぅ」


そう言ってリボンちゃんは僕をハグした。

見ると体についてた機械もなくなってるし点滴もはずれてる・・・動こうと

思えば体も動かせる・・・どうなってる?これ?

あんなにひどい状態だったのに・・・。


なんで今、僕がこんなに元気なのか・・・その謎をリボンちゃんが教えてくれた。


それはこうだったんだ。

僕が生死を彷徨ってる間の出来事、そして亡くなった後の出来事。


僕の容体が急に悪化したって聞いたリボンちゃんは僕を救うため、エボンリルに

急いで帰っていたらしいんだ。


で、僕のために治療能力に特化した天使を連れて来るため「救済者が危険な状態

だから、治癒天使を派遣してくれるよう上の人たちに掛け合って許可をもらって

くれたらしい。

で、その治癒能力に特化した天使をつれて、また人間界に帰って来てくれたって

わけ。


医者は必死で僕を救おうと頑張ってくれたけど、結局心肺停止で蘇生治療も

むなしく僕はその時、心臓が止まったまま一度死んだんだ。


でもリボンちゃんが連れて帰った天使は医者も諦めた僕の屍体に不思議な

パワーを行使して蘇生治癒した。


心肺停止状態で、まだ時間が経ってなかったこともあって彼女のおかげで

僕の心臓はふたたび脈を打ち始めた。

そして身体中にあった打撲痕や裂傷なんかも綺麗に治してくれたらしい。


ってことでエボンリルからまたひとり僕のために天使がやってきたんだ。


リボンちゃんは救済天使だから治癒能力はない。

そこでヒーリング・治癒能力に特化した天使がやってきたんだ。


以前リボンちゃんが言ってた彼女の親友らしい。

その治癒天使の名前は「バレッタ・エンドロール」

リボンちゃんに負けず劣らずの可愛い天使。

髪はグレーでショートボブってやつ?

リボンちゃんより若干、背が低い・・・でリボンちゃんの大の仲良しらしい。

リボンちゃんは僕を助けるため彼女を連れて帰ってきてくれたんだ。


「リボン・・・彼氏すっかり元気とりもどしてよかったね」


バレッタが言った。


「バレッタのおかげだよ・・・ありがとう」


「あ、僕からもお礼を・・・命を救ってくださってありがとうございました」


「いいんですよ、気にしないでください・・・お役に立ててなによりです、

それに私も一度、人間界に来てみたかったですし・・・」

「リボンがエボンリルに帰ってこないから、よっぽど居心地がいいんだろうなって

思ったから・・・」


「あの、だからリボンの彼氏さん、ちょっとお願いしていいですか?」


「お願い?・・・僕に?なんでしょう?」


「しばらく、あなたとリボンのところに私もお邪魔していいですか?」


「え?バレッタ残るの?」


「私もリボンみたいに、こっちで彼氏見つけようかなって思って・・・」


「まじで?・・・彼氏、作るの?」


僕の治療が無事終わったらバレッタちゃんはとっととエボンリルに帰るもんだ

と思っていたリボンちゃんは、バレッタがこっちに残るって聞いて、嬉しそう

だった。

そりゃね、親友なんだもんな。


とぅ〜び〜こんて乳。


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