第14話 【陽奈】コンビニ男の正体

昼休みはびっくりした。

まさかあのコンビニ男が社内の人だったとは。


でも少し安心した。


なんか他の人にアタックしてたとかいってたし、チャラそうな人だったから、毎朝こっちを見ているような気がしたのも、気のせいだったんだ。


この前帰ろうとしたら、あの人がなぜかビルの玄関前に立っていたから、びっくりして慌てて喫煙所に上がったけど、社内の人だったんなら別に玄関にいてもおかしくない。


昔、別れた恋人にストーカー化されて以来、ちょっとそういうの敏感になってたけど、ちょっと自意識過剰だったな。不審者とか思って、奏多さんに申し訳ない。


めぐも面白い人っていってたし、チャラいけど悪い人ではなさそうだ。

とにかく、毎朝の不安が解消できてよかった。これで心おきなくコンビニに入れる。



めぐのおかげで、普段関わりのない色んな社員さんと話ができてありがたい。




「沢崎さん、3階の後藤部長にこれ回しといてくれる?」

珍しく、神山部長から声をかけられた。

「はい!承知いたしました!」


3階は幸太さんのフロアだ。

3階の座席表を取り出し、真っ先に幸太さんの座席を探した。


幸‥‥小倉‥部長代理‥‥

‥あ、後藤部長と同じシマだ!


幸太さんは今いるかなあ。

ドキドキしながら3階へ向かった。


「後藤部長、神山部長より資料お預かりしました。」

「おぉ、悪いね。ありがとう。」


幸太さんは自席にいたが、資料を見ながら誰かと電話していた。私が来たことに気づいてくれたかな。



8階に戻ってパソコンを開くと、幸太さんからチャットが来ていた。

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◯小倉幸太


さっき3階にきてたしょ。

今日の髪、なんかいつもと違うけどかわいいね。

また遊びにおいでー。

俺も、8階に用事作ろーっと。

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あぁ、幸太さん‥

クールな雰囲気と真逆な、この子どもみたいなかわいいチャットがたまりません。。。

私たち、もう恋人でしたっけ。

期待していいんでしょうか。


朝、時間があったから少しだけ髪を盛ってみたんだけど、それにも気づいてくれてるし。。。


10歳くらい歳離れていそうだけど、なんか、不思議と、守りたくなるというか、母性本能をくすぐられるというか、、、そんなあなたに私はメロメロです。



デートの日が来るのが待ち遠しいです。


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