第6話 自称森の大賢者、聖獣お猫様登場2~レベル4マ◯ク選び放題

「子猫も中に入れたってーな。襲われたらかなんで」


 まあ、それもそうだ。

 僕は結界を切って、子猫を中に入れ、

 再び結界を張る。


 ああ、僕はこの2週間の間に魔素に慣れてきた。

 快適とはいえないけど、しばらくの間なら、

 無理なく活動できる。


「(あのな。ワテらもこの車つかわしてもらうことにするわ)」


 うおっ。ずうずうしい猫。


「(それともなんや?子猫を見捨てるってか?)」


 ああ、それ言われると。

 このずうずうしい魔猫だけなら放っておくんだけど。


 

 結局、子猫10匹と魔猫1体を受け入れることにした。

 1匹ずつ、順番に使用者登録だ。

 肉球をパネルに押し当てて。


「名前は?」


「(名前?ワテは大賢者様や。こいつらは子猫や)」


 駄目だ、こりゃ。

 仕方ないので僕が適当につける。


 自称大賢者様 ラグ

 黒子猫  ネロ

 白子猫  ブランカ

 ミケ子猫 タマ

 茶子猫  マイケル

 サビ子猫 ルイユ

 サバ子猫 マッカ

 青子猫  アズール

 白黒子猫 モー

 ハチワレ子猫 タック


「(あんさん、ありがとさん。あんな、名前つけると主従関係ができるんや)」


「そうなの?」


「(せや。今後はな、ワテらを養う義務ができるんやで)」


「いや、ちょっと待て。主従関係でしょ?僕に仕えるんでしょ?」


「せや。ワテらを養うんや」


 うーむ。

 図々しいのか。

 それとも、この世界の仁義なのか。

 まあ、猫ぐらいどうってことないんだけど。


「(心配せんでもえーで。ワテらはな、全部魔猫や。下の世話はいらんで。排泄せーへんよってな。抜け毛もあらへんで)」


 なるほど。

 猫で困るのは抜け毛とおしっことかだもんな。

 

「(まあ、ちっとはうるさいかもしれんけど、よろしくたのんまっさ。あ、タダとは言わんで?これ、お土産や)」


 そう言って、魔猫ラグは大量の魔石を取り出した。


「は?どこから?」


「(ワテはな、マジックバッグ持ってんねん。知っとるか?マジックバッグ。一応な、容量無制限や。腹んとこに出入り口があんねん)」


 マジックバッグはファンタジー世界ではお馴染みだ。

 でも、この目で見ると本当に不思議だ。

 ラグのお腹から次々と魔石が出てくるんだ。


「ああ、そんなに出さなくてもいいよ」


「(こんなんでええんか?もっといるならゆーてな)」


 ほしいと言えば欲しい。

 でも、現状ではこの車にあんまり不満はないし。

 このままレベルアップしていくと、

 バスサイズになるかもしれない。

 それはちょっと手に余る。


「ありがとね。この車、魔石で動くから助かるよ」


 そういいつつ、魔石をパネルに投入していく。

 ゴブリン魔石よりも随分と大きいものばかりだ。


『魔石が52個投入されました。レベルアップしますか?』


「こりゃ、本当にゲームだな。『YES』」


『パンパカパーン!レベル4になりました!乗員は車の外に出てください』


 おお、ようやくレベルアップしたぞ。

 僕たちは子猫をかかえて急いで外に出る。


「ゴゴゴ」


 おっ、またもや一回り大きくなったぞ。

 うん、これはハイ◯ースクラスだな。

 

 中に入ってみる。

 すると、

『オプションを追加できます。キャットウォークをつけますか?』


『YES!』


『天井にサンルーフと猫ドア、屋根に柵をつけますか?』


 屋根の柵には結界が張ってあり、

 転落しないようになっている。


『YES!』


 このように、猫用の設備を追加してもらったが、

 それ以外でも色々と捗りそうな強化がなされた。


 まずは、食事関係。

 マ◯ク全メニューが注文できるようになった。

 速攻でメニュー選択。


 2週間もメニューは固定4種類だったんだから。

 いや、罰当たりだってことはわかるんだけど、

 毎日同じようなメニューはキツイ。


 選んだのは、『食べくらべポテナゲ特大』。

 普通のチキンナゲットとピリ辛味のナゲット。

 それとフライドポテト大盛。

 流石にハンバーガー系は選ばなかったよ。


 それから、『ベルギーショコラパイ』。

 さくさくのパイにほろ苦いチョコレート味。


 『ワッフルコーン ストロベリーソフトクリーム』も

 頼んでみた。

 ソフトクリームはミルク感たっぷりで、

 ストロベリーは果肉が充実している感じ。


 普段はあんまりスィーツ食べないんだけど、

 久しぶりの甘味は大変美味しかった。


 さらに、猫用ペットフードも選べるようになった。

 カリカリ、缶、チュールといったところだ。

 子猫たちに『カリカリ』を与えると、


「ウマウマウマ」


 とうなりつつ、あっという間に完食。

 缶とチュールはあとのお楽しみにした。


 ラグはカリカリには興味なし。

 僕と同じメニューを注文した。

 森ぐらしのはずなのに、無駄に口が肥えてる。



 銃はアサルトライフルが追加された。

 短機関銃よりも強力なマシンガンだ。

 形はステアーAUG A1に似ている。

 トリガーより後方に機関部が配置されており、

 特徴的な格好をしている。

 5.56mm弾を使用。

 


 あとは、開削距離。

 魔素満タンにすると、ほとんど魔素が減らなくなった。

 開削しながら、魔素を充填してるからだろう。

 開削効率が格段に上がったこともあるのだろう。

 ただ、開削速度は相変わらず歩く速さ程度だ。


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