3 離《り 》 (○●○初)

卦 三爻初  正象 卦徳(性情) 家族 五行 易数

 ○●○初 火  明智(麗)  中女 火性 3

 火、明智、明るい、美しい、はっきりする、中年の女、離別、名誉、南


 上爻と初爻が陽で、二爻が陰。形は燃える炎であり、二爻の陰は火心。火は物を燃やし燃えるものがなくなれば火は消える。火には実体がなく、つねに物を燃やし続けることによってのみ存在する。

 「火」からは明るい、明らかになる、美しい、きれい、見る、熱い、燃え上がる、争う、競う、付くと離れる。

 「離」には「付く」「離れる」という正反対の意味は火が次々と燃え移り、灰となった燃えカスから離れるため。

 卦徳は「麗」「明」。自然界では巨大なエネルギーとして永遠に明るく輝く太陽こそ、最もよく火の美麗と明智とを代表するもの。野蛮で無知な状態を照らして美しく明らかにすることから、文化・文明を象徴する。

 人体では眼であり、はっきりと物事を見極める。頭脳明晰な人は、感情に流されることなく客観的な観察眼を持ち続ける。情熱が燃え上がってスピード婚、冷静になりよく見ると、欠点に耐えられず離婚を考えるのは、まさしく「離」の恋愛パターン。

 「離」は美しく女性的だが、闘争的な一面もある。争いや破壊、切断に加えて辞職、脱退、除名など去っていくことも象徴する。

 乾の中に一陰があるので、外は固いが中は柔らかい。表面は立派でも中身がない。表面は強そうでも内面は弱い、それで表面を飾っている。

 性質は明るい、明智、明徳、文明、明瞭、照らす、美術、装飾、虚飾、観る、看る、見る、知る、学問、歴史、文章、火花、熱い、爆発、激しい、性急、焦燥、盛ん、争う、競う、付く、離れる、中虚、無私、無我、名誉、名声、尊大、鑑定。


 離の象意をもとに分類します。

▼「人」次女、中年女性、中女、知性的美人。

    聡明で美的感覚に優れていて好奇心旺盛。インスピレーションが冴え、株式や投機で利益を手にするタイプ。プライドが高く見栄っ張り。表面上は華やかにしていても、内面に暗さを持ち、時に感情の起伏が激しくなります。

    一般に知(知識人、文筆家、教師、文化人、学者、明朗な人、知恵のある人)と

    美(美男、美人、芸能人、華美な人、俳優、芸術家、装飾家、美術家、カメラマン、モデル、美容師、アーティスト、デザイナー、流行を追い装飾関係の人、派手な人、目立つ人、おしゃれな人)と

    名誉と権威(公事を裁く、裁判官、警察官、審判者、政治家、公務員)に関する一切の業務が適職。

    調査する(鑑定・鑑識・測量・設計・検査をする人、ジャーナリスト)、医者、消防士。

    また上爻と初爻が固い陽性なので、身辺を守るところから刀剣や武具・鉄砲に関した仕事(軍人、革命家、スポーツ選手)や

    株式などの投機的な仕事も離の卦に含まれる。

    占い師も人生の行き先を照らす役割から「離」となります。

▽「行動」浮気者、移り気な人、自主性のない人。

     情熱家、熱しやすく冷めやすい人。逆上する人。

▼「人体」目と卦の形が合致、心臓もまた火の象意、小腸も熱の源となるので、離の卦意を持つ。また頭脳も明智の湧き出るところで、離の卦に含まれる。

     五行では心臓。

▼「病気」眼病、心臓病、高熱の出る病気、伝染病、精神過敏、高血圧、逆上、熱中症、不眠症、不食、火傷。

     部位が人命の中枢に関係するものだけに、かなりの危険性を蔵する。

▽「病勢」〈燃え上がる〉意から次第に悪化する。安定しないと判断。


▼「物」電気自体は「震」だが、照明や電球(電灯、懐中電灯)は「離」、

    明(火・光)や明らかにする、ライター・ローソク・カメラ・眼鏡、

    文、文具・書籍・書類・証券・小切手・手形・通帳・印鑑・地図・絵画、

    アクセサリー、装身具、ドレス、化粧品、薬品など美に関するもの。

    武具・光る金属・熱して作るもの、甲冑、銃、貨幣、焼物、

    花、網。

▼「場所」裁判所(明)や警察署、議事堂など公の場。

     知力によって合否を決める試験会場、競馬場。

     文化に関する学校、書店、図書館(文)、博物館、美術館(美)、映画館、劇場など。

     人々が華やかに着飾って向かう式場、宴会場など。

     華美な場所、病院、灯台。暖かい場所、火事場。


▼「動物」色彩の綺麗な生き物、美しい羽根の孔雀・雉・錦鶏鳥、金魚、蛍。

     外側に堅い甲や殻を持っている亀・カニ・貝類。

▼「植物」美しい花や紅葉する木、紫蘇、南天、スイカ。とくに赤と紫の花。

▼「食物」色彩の綺麗な食べ物、お菓子、干し物、焼き物、海苔、カニ、エビ、貝、スッポン。


▼「干支」午

▽「方位」南(午)

     吉方取りでは学力、直感力アップ、発明や発見の才などに期待。

     腐れ縁に悩む人が南か九紫火星の吉方に行けば断ち切れることも。

▽「季節」夏六月(午月)

     太陽の力が強くなる夏。

▽「時間」十一時から十三時までの二時間(午の刻)

     地上は明るく照らされ、隠し事は露見します。

     太陽が天頂に来るのが正午。その前を午前、後を午後と呼ぶ

▼「九星」九紫火星

▼「五行」火

▽「色」赤色、または紫色。

▽「数」3。五行の数は2と7。

▽「味」苦味。


▽「天気」〈明るい意〉から、晴れと判断。夏は猛暑のことがあります。

▽「株式」〈燃え上がる〉意から、上がると判断。急騰するときもあります。

▽「やまとことば」う。




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