第22話 梨々花は、渡せる?

「るーい!」

「おー。どうした」

「ねえねえ、今日はなんの日かわかる?」

「『バレンタイン』だろ。知ってるわ」

「私は、琉生の事、好きだから・・・」

「なっ・・・改めてて言われると、照れるな」

「だからー!私も便乗して、お菓子作ってきましたー!」

「おー。女子力がない梨々花にしては頑張ったんだな」

「してはってなんだ、してはって。失礼すぎるよ、琉生!」

「ぷ、っくく」

「笑うな」

「だって、梨々花が面白すぎて・・・顔が・・・」

「うっわー、失礼すぎー。引くわ」

「おい、引くな」

「知るか♪」

「何だその♪は」

「♪♬🎶」

「歌うなよ・・・んで?梨々花は、何を作ってきたんだ?」

「・・・これ。喜んでくれるといいな」

「おー!美味しそうなチョコ・・・ってあれ?コレってべっこうあめじゃん。バレンタインはチョコをあげるんじゃないのか?」

「私は琉生に説明をしたときはそう言ったかもしれないけど、私は『お菓子』としか言ってませーん!」

「ぐっ・・・」

「でも、私、頑張ったんだよ!だから、食べてよ!たーべーて!!!!!」

「わかったよ・・・あめは嫌いじゃないし」

「やったー!」

そして、琉生がそのあめを口に入れると。

「なにこれ・・・!すっごくおいしい!」

「でっしょー?」

「ドヤ顔すな」

「でも、琉生がおいしいっていってくれてよかった」

今年のバレンタインは、二人にとって最高のバレンタインになった。

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