第3話 地球誕生秘話

 ゾーハルの存在、その中にいくつも連なる多次元宇宙。あまりにも壮大し過ぎる想像の域を超えた世界。宇宙はひとつではなかった…順を追って話していかないと理解出来ない未知の内容。現在の人間の文明や科学力は宇宙レベルの基準とは比較にならない低いものである。人間はいまだに目と鼻の先である月にさえまともに行き来出来ない。乗り物も推進力をいまだに「火」に頼っている。実に原始的だ。

進化状況から判断すると重力波を使用した移動手段など永遠に到達することはないだろう。宇宙からみたらそんな能力の低い人間がなぜ、どういう理由で誕生したのだろうか。それには地球誕生までのいきさつがあったのだ。

 各ゾーハルには能力者たちによる高次元レベルの最高評議会が存在しており、自然発生していく惑星の活用やエネルギーが尽き消滅する惑星の処理、人口増加(地球と同じく宇宙においても問題化)による移民対策、資源利用の公平化等など様々な協議を行っている。当然ながらそこには宇宙における「法」の規定事項が存在しているのである。

 そのような中、それらの高い文明を誇る者たちにも大きな課題があった…

広大な宇宙群には自然発生した惑星とそれぞれの星の環境下で誕生した生物が無数に存在し進化し生活している。当然その中には地球の動植物に似たものも存在しているが、地球と大きく違う点は、それらはあくまで「自然発生したもの」であること。

そう、全てはゾーハルの中でダークマターが自然発生し、その中で自然に惑星が誕生し、その星に自然に動植物が誕生していくのである。宇宙がいくら広大であっても、その中には理想的な「完全なモデル」になる惑星は皆無に等しい。地球に似た星は他にもあるが、あくまで「似た星」であって、これほど美しい星は他に類をみないのである。

 そんな中、既存していた「月」の脇のほうに地球が誕生したのである。

質量で負けてしまった月はお互いの持ち合わせた引力の差で地球の周りを回る羽目になってしまったために人間からは後から誕生したものと思われてしまうことになる。

地球は現在の外観になるまで長い年月を要し、生成を繰り返した結果、水・空気・鉱物・資源が存在する、暗黒の宇宙において太陽光も差し込む理想の環境へと変化していったのである。





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