第9話「誕生祭」


ーーそんなに寒いか?

そんな川が凍るほどでもないのに?

ーー広場には派手な飾り付けがされてる。

「6翼の何か」を取り囲む…「1翼の何か」と「何か」と「何か」。

太陽や花の飾りが街中に飾られてる。

あの…灯りはろうそくか?

まぁ、なんでもいいや。


「ンッグシッッ!!さびいぃ。

モア、見ろよ!ミカィル様の飾りだ!

今年は去年のよりすげぇな〜!」

ーーソレイュがはしゃいで子供の様にくるくる踊り回る。

 あぁ。そうか。

ーー広場がはしゃいでる。

露店がたくさん出てる。

酒をあちこちで汲み交わされて、大賑わい。

ぅ、うるさぃ…。


「ソレイュ!ぁ、あ!あぁッ!!ソレイュ!いい所に来た、俺達と呑まねぇか!?」

「あ、…ぁあ…あ!そうしたいけど、先約があるんだっ。

ごめんなっっ。」

「あらあら、ソレイュ。大事な人でも追いかけてるのかしら?」

「しっかし必死だな!見ろよっあの後ろ姿!!ピョコピョコしてラァパンみたいだぞ、ァハハハ!」

「ほんとだっおもしれェ!」

「そうね、必死で追いかけてるわ!」

「…若いっていいわねぇ」

「ソレイュが、気に入るって相当なんだろうさ!」

「今年は、どんな子なのかしら…気になっちゃうわぁ!」 


「ソレイュいたぁッ!

ウチの仔トトのシュリィを食べてっておくれよ!自信作なんだ!

ほら…。」

「んぅっ!!ぅまいっ!…でも、去年と何かがちげぇ。…なんだろ?あっあぁ…悪りぃ後でまた来る!!」


「…ほら、コレ。」

ーー何?これ?

 ?

「いいから、食ってみろよ!!

言ってた、ミカィル・ェン・ァニヴァサリィにしか食えないやつだぞ! 

モア。絶対、コレ好きだって!」

 あぁ…わかった。

>>ぴと

「冷てッ!!モア!手ぇ冷てぇな。」

 そう?自分ではわからない。

「格好も寒そうだしよ〜!」

>>ぱく

ーーあ。

これ、好きなやつ。

「な、好きだろ?!」

 あぁ。

「ドルチェラタンが、この日だけのェトヮンティ・ルブサァするらしいぜ!

レオリオって奴が入ったんだけど、まだお知らせのカランサランサしかしてねぇのにすげぇ期待されててさ。絶対、人気者になる〜って言われてるんだ!」

 ふぅん。

ーーどうでもいい。

「見てくか?新しく入って間もないけど、モアに負けてない身のこなしらしいぜ!

アノ、ジョヌ・マイスの頭が新しく入ったレオリオだ!」

ーー身体を横に回って、後ろに飛んで、空中でひねって、着地。

次は2度、前に回って、それを1度ひねって飛んで。着地。  

ほぅ、確かに身軽だけど…本気を出せば余裕で勝てる。

「アイツは芸もいいけど、人気者になるって言われてる理由はあの笑顔だろうなぁ!

笑顔が眩しいって言うか、やっぱ若さかなぁ!?

レオリオのラ・マンニェが店に通ってくれてるんだよ!」

ーーそこは、ほんとにどうでもいい。


「川沿いでニラァジュが絵を売ってるらしいぜ。行こう!」 

 どこで?

「カァヌの川沿い。」

ーーあ。

知ってる川の名前と違う。

大通りの石造りの大きな門もないし。

三角形の大きな塔もない。

ほんとに知らない所にいるんだな…。

代わりに川を挟んで、遠ぉおくに大きい鋭利な塔のある白銀の城が見える。

「ソレイュにモアさん!来てくれるなんて!!」

「どうだ?!売れてるか??」  

「ぅ…ん。何とも言えないよ…。でもね!さっき俺の絵で札を作ってみないか?って誘われたんだ!…占いの札らしいけどね…。」

「ダメなのか?占いの札??」

「そりゃぁ嬉しいけど…札って言われた時に勝手に遊びの札、思い浮かべちゃって…はぁ…。」

「ニラァジュそんな落ち込むなって!

占いの札だってお前の絵を売る良い機会じゃねぇか!」

ーーあ。

「やめッ!!」

>>ばささ

「コ コレは、恥ずかしいから見ないでくださいぃ!!」

「恥ずかしいって、またエロぃ絵でも描いたのか!?」

「描いてないよッ!!それにソレイュの言うエロぃ絵が俺にはわからないィッ!」

「そ それは…エロぃ絵は…エロぃ絵だぁッ!!」

 ーー…ぅるさい。


「モア!占いだってよ!

当たんのかなぁッ!?」

 占いは信じない。

「ぉや?ウチは当たりますよ。

ちょっとだけ、見てあげましょうか?

…νμ …μ …εsprit de... qui coνtrôle…

……あなたは何か才をお持ちですね?!

その才でお店をなさってる。

それにミカィル様の加護がお顔に出ています。

「おぉ!当たってる!?」

「では、お隣りの方。

…νμ …μ …εsprit de... qui coνtrôle…

……あなたは何か他の人にはない特技をお持ちですね?」

!!

「それをお仕事で遣って見事に活躍されている。それに…ん…ルシフェルの霧?がお顔を半分覆っています。…お気をつけ下さい

ー何かが憑いてる…らしい。


「あぁ、ミカィル様!ミカィル様はあなた達の心にいらっしゃいます!!

あなたをいつも見守っていらっしゃいます!!」

ーーなんか嫌な感じ。

いつも見張られてるとも取れる。

「やゃ!あなたルシフェルの翼をお持ちではないですか?

おぉ!そうだ。やっぱり翼をお持ちだ…お気をつけ下さい。」

ーーお前なんかに、何がわかる?

ルシフェルとやら、さては印をつけたな⁇

「モア!戻る時に寄りたい所あるんだ!寄ってもいいか?」

 好きにすれば。


「あ、降ってきた!寒いはずだ…。今日のェトヮントは、グレッヴェのトマテ・ラグゥにしよう!」

ーー今日のショコラは我慢した方がよさそう。

「モア帰るのか?今日は、ミカィル・ェン・アニヴァサリィだからショコラ〜テとショコラティ〜ヌが出るぞ!」

ーー!?

帰ろうと思ったけど、寄ろうかなぁ…。


「ン?」 

ーーあ''ッ。

-・-

何故、今。

#…ー…#

「ぉ、おう。コメット!」

「ヴォン・ソワァル!

…なんだか、ソレイュ雰囲気変わったネ?なんかアった?」

「それがさぁ今後、モアとダントンさんの知りぁ…」

>>べっしゃぁぁあ

 ダ・マ・レ。秘密厳守。

「ェエ!!いいじゃん!モアのケチぃいっっ!

もう、先が気になる所まで聞いちゃったよォ。まったく関係してないし、オレ聞いてもいでショ?…ネェ、ソレイュウゥ…お願いぃ!…駄目…??」  

「そ、そんなに聞きてぇかぁ。…しょうがねぇなぁ!スヮリィに行くんだ!俺が、イグニス役でな〜!モアがフラレンス役でぇ〜!」

ーーはぁ。

ソレイュ…コメットにねだられて、話てるよ…。

本番が心配…。

「あ ぁ、モア帰るのか?」

 ァ・デュ。

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